目次
川崎市麻生区の40代女性の統合失調症による障害基礎年金の受給例
結果
障害基礎年金2級決定
年金額 780,100円
ご相談
現在クリニックを受診しているが幻覚や幻聴、意欲低下の症状があり統合失調症と診断されているとのご相談でした。
障害年金という制度があることを最近知り、手続きを行いたいと思っているが、ご自身で自信がないためできれば手続きの代行をお願いしたいとのことでお電話でのご相談をお受けしました。
現在の病状はほとんどの家事をご主人に手伝ってもらっているような状態で就労は行っていないとのことでした。
また保険料の納付状況について確認したところ、「初診日当時はパートを行っていたものの、年金はご主人の第三号被保険者で未納は多分ない」とのことでした。
体調不良のため外出ができないため、麻生区のご自宅でのご面談を実施することとしました。
ご面談
ご面談時に今までの経過を詳細に伺いました。
今から10年ほど前に仕事などで人と会うことが辛くなり自傷行為を行ったり、また電車に乗ることが辛くなりまた食欲不振も伴ったため麻生区内の病院を受診したとのことでした。
受診後、投薬治療を開始したものの、病状はあまり改善せず行っていたパートも継続できない状態になったとのことでした。
その後、諸事情が重なり、数年間受診ができない状態でしたが、病状はあまり改善しませんでした。
それから親族を亡くしてから病状がさらに悪化し、意欲低下で朝起きられなくなり、再び受診を再開しました。
その後現在まで同じ病院を受診していますが、現在は意欲低下のほか幻聴や被害妄想、希死念慮などがあり家事などの日常生活にも支障が生じている状態とのことでした。
受診病院について伺ったところ、初診時からずっと同じ病院を受診しているとのことでしたが障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日から3ヶ月以内)当時は受診を中断していたとのことで残念ながら受診していなかった場合は認定日請求を行うことは難しい旨をご本人にお伝えしました。
請求手続き
担当医師に対する診断書の依頼に関してご本人が不安があるとのことでしたので弊所から病院に問い合わせを行ったところ、ご本人が受診する際に診断書用紙を持参すれば診断書の作成を行うとのことでした。
このため、弊所にてご面談時に伺った内容をもとにできるだけ診断書に現状が反映されるように依頼状を作成し添付しました。
本件に関しては、初診時から現在まで途中中断した期間はあるものの継続して同じ病院を受診していたため、初診日の特定に関しては全く問題がありませんでした。
一方で、出来上がった診断書を確認したところ、診断書裏面の「日常生活能力の判定」の欄の3か所に最も軽い「できる」の欄にチェックが入っていました。
ご本人のお話では食事の準備はご主人様の行っており、ご本人はできない状態であり依頼状にもその旨を明記していたにもかかわらず「できる」の欄にチェックが入っていました。
このため、年金の受給に支障が生じる恐れがあるため弊所から担当医師に連絡し事情を説明したところ「ご本人が来院し診断書を持参すれば修正も可能である」とのお話でした。
ご本人は体調が思わしくないため、できれば弊所と病院との直接のやりとりで修正をお願いしたい旨伝えましたが、頑として受け入れてもらえませんでした。
このためご本人にその旨をお伝えしたところ、体調が良い時にご主人様と一緒に再度受診するとのことでした。
その後、診断書はご本人の現状を反映した病状に修正されました。
病歴・就労状況等申立書に関しては、面談時にお伺いしたご本人のお話をもとに弊所にて詳細に作成しました。またその他の書類に関しても、一切を弊所が作成しお手続きを完了しました。
請求手続きのポイント
障害年金の手続きにおいて、担当医師が作成する診断書は、最も重要な書類の一つです。
本件の場合、診断書の内容の一部が現状を反映していないものとなっていたため、修正の依頼を行いました。
診断書の内容についての修正の依頼を行うケースはよくありますが、修正の依頼に応じる医師はそれほど多くはありません。
担当医師の立場に立てば、診断書を作成する権限は担当医師にあり第三者に何か意見されるいわれはないという考えを持たれていると思います。
そのこと自体は最もな考えですが、現状とかけ離れた診断書の内容となっている場合には修正依頼をせざるを得ません。
今回の場合には、ご本人が再度受診することで診断書の内容を修正してもらうことが可能となり、障害基礎年金2級の受給へ繋げる事が出来ました。
※本件の受給事例に関しましては個人情報保護法の趣旨に沿って文章の内容を作成しています。