対象傷病

うつ病での障害年金請求の5つポイントと受給事例

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更新日:2019年8月8日

うつ病は病状が一定の基準(障害認定基準)に該当する場合に障害年金の受給対象となるご病気です。

日常生活や就労に支障が生じている場合、傷病手当金の受給が終了した場合などにはお手続きを行うことで障害年金を受給することが出来ます。

うつ病での障害年金の年金額と受給要件

障害年金の年金額

【障害基礎年金の年金額】

1級 97万5,125円

2級 78万0,100円

【障害厚生年金の年金額】

1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級の年金額

2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級の年金額

3級 報酬比例の年金額(3級には最低保証額58万5,100円があります)

※年金額は平成31年度の金額です。

保険料の納付要件

障害年金を受給するためには一定額の国民年金保険の保険料を支払っている必要があります。

【納付要件】

①初診日を基準に初診日のある月の前々月までの被保険者期間の3分の2以上の保険料を支払っている(免除受けている)かまたは

②初診日を基準に初診日のある月の前々月までの直近の1年間に保険料の未納がない場合(65歳未満に限る)

初診日の特定について

初診日の特定の重要性

初診日の特定とはうつ病で初めて病院を受診した日をカルテか或いはカルテに準ずる証拠によって証明する作業をいいます。

初診日の特定は障害年金の請求手続きの中で最も重要な作業の一つです。なぜなら、初診日が特定できなければ、そもそも障害年金を受給することはできませんし、また初診日を特定することで、どの年金(国民年金か厚生年金)から年金が支給されるかまた保険料の納付要件を満たしているかなどを確認することができるからです。

うつ病の初診日について

うつ病で初めて病院を受診した日とはうつ病と初めて診断された日ではありません。

うつ病の場合には「うつ病」と診断される前に不眠などの症状で内科などの病院を受診することがあります。

この場合には初めて不眠のために内科を受診した日が初診日となります。

また、うつ病と診断される前に神経症などで通院していた場合は神経症の症状で初めて病院を受診した日が初診日となります。

このため、不眠でA内科を受診した後にB内科に転院し継続して不眠の治療を受け、その後、Cメンタルクリニックに転院し「うつ病」と診断された場合にはA内科を受診した日が初診日となります。

この場合A内科にカルテが残ってる場合は問題ありませんが、カルテが残っていない場合にはB内科にカルテが残っているかどうかを確認し、B内科にカルテが残っている場合は B 内科で受診状況等証明書作成してもらうことになります。

その際、 B 内科のカルテにA内科の受診状況(受診日、病院名など)が記載されている場合は B 内科のカルテをもってA内科のカルテにかえることができます。

就労との関係

うつ病での障害年金を請求する場合に現在の就労状況はもとより、初診日から現在に至る就労状況が受給できるかどうかに関して大きく影響与えます。

特に下記のような事項は障害年金の受給に影響を与えるポイントということができます。

  1. 現在就労を行っているかどうか
  2. 就労を行っている場合はフルタイムで働いているか、または週何日働いているか、一日に何時間働いているか
  3. 休職中であるか
  4. 退職しているか
  5. 就労継続支援事業所などで就労を行っている
  6. 自営業を行っている

1.の現在就労行ってるかどうかに関しましては、うつ病というご病気が意欲低下という症状がその代表的な症状の一つとなっています。

このことから、就労ができるということは意欲低下に関しても、それ程重い病状ではないと判断され、障害年金の受給に関しては難しい方向に傾く場合が多いと思います。

2.の就労を行っている場合はフルタイムで働いているか、または週何日働いているか、一日何時間働いているかに関しましても、フルタイムで就労している場合はたとえうつ病というご病気をお持ちだとしても現在のご病状の場合は障害年金を受給できる可能性は極めて少ないと言わなければなりません。

また、週の半分以上就労できている場合も障害年金の受給に関しては難しい場合が多いと思われます。

一方で、週に1日か2日しか働くことができないといった病状の場合には、障害厚生年金3級に該当する場合があります。障害厚生年金3級のご病状は厚生年金で別表第1に以下のように規定されています。

3級・・・精神に労働に制限を受けるか労働に制限を加えることを必要とする程度のもの
国民年金令・厚生年金令別表

 

3級の認定基準には、労働が制限を受けると規定されていますのでフルタイムで働かれている場合は労働が制限を受けていないとみなされ3級に該当しないい場合が多いと思われます。

一方で、週の半分以上就労できない場合は労働が制限を受けていると見なされる可能性があります。また障害年金2級の病状に関しては以下のような基準になります。

2級・・・身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものをいう。

この日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度のものをいう。                  厚生年令別表第1の認定基準と認定要領

障害年金2級の傷病の程度等は上記のように規定されていますので少しでも現在就労行っている場合はもとより、

3.休職中の場合も休職期間が短い場合は2級に認定されない場合も時としてあります。

4.退職しているかどうかに関しましては基本的に傷病によりお仕事ができなくなり、退職している場合は障害年金2級に該当する場合が多いと思われますが、退職日からまだ間がなくかつ退職日までフルタイムで働いていたような場合には2級に該当しない場合もあります。

5.就労継続支援事業所などで就労を行っている場合は大変微妙なところではありますが、うつ病の場合には就労場所がどこであれ毎日就労できているような場合は年金が受給できない場合も多くあります。

一方で、毎日の就労が難し場合や職員の見守りが常時必要な場合には年金の対象になる場合もあります。

6.自営業を行っている場合には審査する側にはどのぐらいの就労を行っているかなどはわからない場合が多いと思いますが診断書、病歴就労状況等申立書等の記載から就労状況が判断されます。

実際の内容として就労ができるということは病状が軽いと判断される場合が多い思われますので、ほとんど仕事ができず従業員に仕事を任せきりになっているような場合は2級に該当する場合があります。

日常生活について

うつ病での障害年金の請求に当たり、日常生活に支障が生じているかどうかという点が判断の材料になります。

障害厚生年金の場合には3級がありますので、日常生活に支障が生じる程度ではない場合にも就労に支障が生じている場合は障害厚生年金の受給が可能な場合がありますが、障害基礎年金の場合(初診日で加入していた年金が国民年金の場合)には、就労ができないことを前提に日常生活でどの程度の支障が生じているかが審査の対象とされます。

この点に関しては、特に障害年金用の診断書の裏面のウ-2欄「日常生活能力の判定」とウ-3欄「日常生活能力の程度」の記載と関連してきますが診断書に記載されている、(1)食事の準備をすることや、(2)身辺の清潔保持、(3)金銭管理と買い物、(4)通院と服薬、(5)他人との意思伝達及び対人関係、(6)身辺の安全保持及び危険対応、(7)社会性その他の身の回りの日常生活のことを自分でできるかどうかが障害年金の審査の基準となります。

【日常生活能力の判定について】

(1)食事の準備をすること

配膳などの準備も含めて適当な量をバランスよく摂ることができるかどうか

(2)身辺の清潔保持

洗面や洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができる。また自室の清掃や片付けができるかどうか。

(3)金銭管理と買い物

金銭を独力で適切に管理しやりくりがほぼできる。また1人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるかどうか。

(4)通院と服薬

規則的に通院や服薬を行い病状等を主治医に伝えることができるかどうか。

(5)他人との意思伝達及び対人関係

他人の話を聞き、自分の意思を相手に伝える。集団行動が行えるかどうか

(6)身辺の安全保持及び危機対応

事故等の危険から身を守る能力があるかどうか。また通常と異なる事態となった時に他人に援助を求めるなど、適正に対応することができるかどうか。

(7)社会性

銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が1人で可能かどうか。また、社会生活に必要な手続きが行えるかどうか。

上記(1)から(7)までの確認事項が一人暮らしをした場合(したと仮定した場合)に

A.できる

B.自発的にできるが、ときに助言や指導を必要とする。

C.自発的かつ適正に行うことができないか。助言や指導があればできる。

D.助言や指導をしてもできないもしくは行わない

の4段階で評価されます。

日常生活の身の回りの食事や掃除、着替え、入浴といったことが1人ですべてできる場合には少なくとも障害年金の2級には該当しない場合が多いといえます。逆にそういった身の回りのことがご自身ではできずに家族の介助が必要となっている場合には、障害年金2級に該当する可能性があります。

【日常生活能力の程度について】

(1)精神障害を認めるが社会生活は普通にできる。

(2)精神障害を認め家庭内での生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である。

(3)精神障害を認め家庭内での単純な日常生活はできるが、ときに応じて援助が必要である。

(4)精神障害を認め日常生活における身の回りのことも多くの援助が必要である。

(5)精神障害を認め身の回りのこともほとんどできないため常時の援助が必要である。

上記(1)から(5)のどのカテゴリーに該当するかでうつ病での障害年金の受給の可否が審査されます。一般的には(1)に該当する場合には、うつ病での障害年金の受給をすることはできません。

障害年金は、日常生活や就労にどれだけ支障が生じているかという観点から支給の可否が判断されます。このため(1)に該当するということは日常生活や就労などに支障が生じていないため、障害年金の支給の対象にはならないからです。

さらに(2)から(4)に該当する場合には、障害年金の3級~2級に該当する場合が多いと思われます。また(5)に該当する場合は障害年金の2級か1級に該当する可能性があります。

うつ病による40代女性の障害基礎年金2級の受給事例

ご相談

現在不眠、意欲低下などの症状で最寄りの病院を受診しておりうつ病と診断されているとのことでした。

現在から5年ほど前に家庭内でのトラブルが原因となり、不眠や胃痛などの症状が出たため、初めて病院を受診したとのことでした。

障害年金の手続きを行いたいが、担当の医師が診断書をなかなか作成してくれないとの理由でご相談をいただきました。

請求手続き

お手続きに先立ち初めて受診したとされる病院にカルテの有無を確認し受診状況等証明書の作成を依頼しました。

受診状況等証明書の完成後、内容を確認したところご本人のお話通りの不眠、胃痛の症状で受診していることが判りました。

また受診状況等証明書には当該病院の前に受診歴がないことも確認できました。

その後、特定された初診日を基準に保険料の納付要件を確認したところ、保険料の納付要件についても問題のないことも確認できました。

これらの手続きと並行し、現在受診中の病院に障害年金用の診断書の作成をお願いしたい旨伝えるとともにご本人が診断書の作成がなかなか行われないと困惑されている旨を伝えたところ、病院側から診断書の作成を拒んだことはなく、様子を見て作成する予定であった旨回答をいただきました。

このことから、できるだけ速やかに診断書が作成していただけるようを病院側に依頼を行いました。

その後、発病から現在までの病歴及び就労状況を申立書に記載し完成した診断書とともに提出することで手続きを完了し3ヶ月後に障害基礎年金2級の受給決定を受けることができました。

本件は病院側が本人からの障害年金用の診断書の作成を拒んでいました。

理由については確認しませんでしたが、第三者である社会保険労務士から再度作成依頼を行ったことにより診断書を入手することが可能となり、障害年金の受給につなげることができました。

うつ病による30代男性の障害厚生年金2級の受給事例

ご相談

現在、うつ病により就労を行うことができず、自宅療養中であるとのことでご相談のお電話をいただきました。

発病から現在までの様子について簡単にお話を伺ったところ、今から6年ほど前に不眠や意欲低下などの症状が出て最寄りの病院を受診し、現在は傷病手当金の受給が終了し障害年金の受給を希望しているとのことでした。

病状が思わしくなく外出が難しいためご面談はご自宅までお伺いし行うこととしました。

ご面談時にご自宅の前まで迎えに出てきてくださいましたが、病状が悪いことが一目でわかるほどのご様子でした。

その後1時間ほどご面談を実施し、お話を伺いしましたが、ご面談時も体調が悪そうにされており一日も早く障害年金をされるべきであると感じました。

お手続きのポイント

本件の場合、保険料の納付要件、初診日の特定のついては問題がありませんでしたが、担当医師が作成した診断書の内容が現状をあまりにも反映していないものでした。

このことから、担当医師とお電話でありましたが、お話しをさせていただき「当方は直接ご自宅まで訪問し、ご本人の病状についてお話を伺うとともに当方自身の目でご本人の体調不良を確認した」旨をお伝えしました。

そうしたところ、担当医師も「ご自宅での病状については、確認できなかったためそのような内容となったが再検討し診断書の内容を実情にあったように修正する」旨約束していただきました。

その後、修正された診断書の内容を確認したところ、現状を反映された診断書の内容になっていたため、その他必要書類とともに提出し手続きを完了しました。

その後、障害厚生年金2級の受給決定を受けることができました。

医師はご自宅でのご本人の病状について実際に確認することはほとんどありませんので、時として本来の病状を反映していない診断書の内容になってしまう場合があります。

本件の場合も初期の診断書そのままを提出した場合には、障害厚生年金3級または不支給になってしまうケースでした。

担当医師と再度相談することによって病状を反映した診断書を提出することができたため、障害厚生年金2級の受給決定を受けることができました。

 

 

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