今回は大和市の50代女性のうつ病による障害厚生年金2級の受給事例について障害年金専門の社会保険労務士がご紹介します。
目次
結果
障害厚生年金2級
年金額 1397,880円
ご相談
現在うつ病で大和市内の病院を受診していますが、意欲低下、体のだるさ、頭痛などの症状があるとのことで障害年金の受給についてご相談をお受けしました。
発症から現在までの経過についてお伺いしたところ、15年ほど前に職場の同僚男性からの嫌がらせを受け、そのことがストレスとなり、頭痛や耳鳴りが生じるようになったとのことでした。
このため最寄りの内科を受診するようになったものの病状があまり改善しなかったため、大和市内の心療内科に紹介で転院したとのことでした。
初診日当時は厚生年金に加入していたとのことでその後、病院を3箇所ほどに移られ15年経過した現在も病状は一進一退で意欲低下、体のだるさなどの症状が改善せず日常生活にも支障を生じているとのことでした。
今回は最近初めて障害年金のことを知り自身では手続きが出来ないため代行を依頼したいとのことでした。
請求手続きのポイント
初診日の特定について
本件の特徴は第一に初診日から15年と相当な年月が経過していることでした。
一方で初診日の病院にはカルテが残っていませんでしたが、2番目に受診した病院にカルテが残っており、そのカルテの記載に発病から初診時の受診の状況が記載されていたため、その記載をもとに初診日の特定を行うことができました。
基本的には初診日の病院のカルテに基づいて受診状況等証明証という証明書を作成しもらいこの証明書によって初診日を特定します。
一方、カルテの保存期間は5年と法律が定められていますので、5年を経過してしまった場合にはカルテが廃棄されてしまうことがよくあります。
このような場合には、初診日の病院以降(二番目、三番目またはそれ以降受診した病院)の病院のカルテに基づい初診日の特定を行います。
保険料の納付要件
障害年金を受給するためには保険料の納付要件を満たす必要があります。ここでいう保険料とは国民年金保険料の事を言います。
障害年金の保険料の納付要件は原則として保険料を納めた期間と保険料の免除を受けた期間を合算した期間が被保険者期間の3分の2以上ある必要があります。
また、特例として、初診日以前(正確には初診日のある月の前々月まで)の直近の1年間に未納がない場合も保険料の納付要件を満たすこととなります。
本件の場合は本件の場合は初診日以前はご自身で働かれており、多くの期間が厚生年金の加入期間であるため、保険料の納付要件に問題はありませんでした。
等級に該当する病状
障害年金を受給するためには病状が障害年金の認定基準によって定められた等級に該当している必要があります。
障害年金の等級は障害厚生年金の場合には1級~3級と障害手当金(4級に該当する等級)、障害基礎年金の場合には1級~2級の等級があります。
本件の場合には意欲低下や体のだるさ頭痛などの症状があり、就労が行えず、日常生活にも支障が生じているとのことでしたので障害厚生年金2級に認定されました。
まとめ
本件の場合はご病気が精神のご病気であるうつ病でしたが、精神のご病気も要件を満たすことで障害年金の受給対象となります。
本件の特徴は初診日が現在から15年ほど前と長期間経過している事例でしたが、2番目の病院にカルテが残っていたことにより初診日を特定し手続きを行うことができました。
また、ご病状も就労や日常生活に著しい支障が生じていたため、障害年金の認定基準の等級に該当したため受給が可能となりました。