目次
群馬県の54歳の男性の障害厚生年金の受給事例
ご相談
1年ほど前に左半身の痺れによって病院に救急搬送されました。その後、脳出血と診断され、現在は左半身に麻痺が残り、リハビリを行っているとのことでした。
保険料の納付要件に関しては、今まで滞納が無いとのことで障害年金の手続きについてご自身で行うことが難しいためできれば手続きの代行を依頼したいとのことでした。このためご面談をして詳しくお話を伺うこととしました。
ご面談
群馬県のご自宅でご面談を実施しました。ご面談には奥様も一緒に同席されていました。ご病気の経過としては1年ほど前に外出中に左半身に痺れが出たため慌てて帰宅し、様子を見ていましたが、その後症状は悪化し立ち上がれない状態になったために救急車を呼び、緊急搬送されたとのことでした。
その後、 CT などの検査を実施した結果、脳出血と診断されました。診断後、リハビリのために転院しましたが、病状はあまり改善せず左半身に麻痺が残ってしまいました。
歩行時には杖が不可欠な状態でまた左手も物を掴む時などに支障が生じていました。
一方で救急搬送された日(初診日)から現在までまだ1年しかたっておらず、障害認定日の1年6ヶ月がまだ経過していませんでした。
ただ、脳梗塞や脳出血などの肢体麻痺の場合には症状が固定したと担当医師が判断した場合には、障害認定日の特例に該当する場合もありますので医師との相談が必要な事例である旨お伝えしました。
障害認定日の特例:脳血管疾患による肢体障害等であって初診日から6ヶ月経過後の症状固定日(医学的観点からそれ以上機能回復がほとんど望めないと認められる時)
(初診日から6ヶ月経過で一律障害認定となるのではなく、診断書等に症状固定や回復見込みなし等の記載があれば例外的に障害認定の診査が受けられるもの。
また、機能回復を目的としてリハビリを行っている場合には、障害認定日の特例が認められない場合もあります。さらにリハビリを行っている場合でも機能維持を目的としてる場合には、障害認定日の特例が認められる場合もあります。)
請求手続き
初診日から1年しか経過していなかったため、初診日の特定に関しては問題がなく最初に救急搬送で群馬県内の病院に搬送された日を初診日と特定することができました(受診状況等証明書の取得)。
また保険料の納付要件に関しても、ご本人のお話通りこれまで保険料の滞納などがなく保険料の納付要件を満たしてることが弊所の調査で確認できました。
また、最大の問題であった障害認定日の件でも、担当医師の判断により診断書作成日(初診日から約1年後)に症状が固定したと判断され、障害認定日の特例として、その日(診断書作成日)が障害認定日と認定されました。
その後弊所にてご面談で伺った内容をもとに病歴・就労状況等申立書その他書類を作成し、代行して手続きを完了しました。
結果
障害厚生年金3級決定
年金額 972,802円
請求手続きのポイント
今回の請求手続きの最も大きなポイントは初診日から1年6ヶ月を経過していないケースだったということです。
障害年金の請求は原則として初診日から1年6ヶ月を経過した障害認定日以降でなければ行うことができません。
一方で障害認定日には特例が設けられており、初診日から1年6ヶ月を経過する前であっても下記の様な場合は傷病が治ったものと判断され、障害認定日として認められるものがあります。
また特例の日が初診日から1年6ヶ月を経過した日より後の場合には原則通り初診日から1年6ヶ月を経過した日が障害認定日となります。
- 人工透析療法を行った場合は療法開始から3ヶ月経過した日。
- 人口骨頭または人工関節を挿入置換した場合は装着日。
- 人工弁、心臓ペースメーカー、植込み型除細動器( ICD ) CRT 、CRTDを装着した場合は装着した日。
- 人工肛門を造設した場合は施術の行われた日から6ヶ月を経過した日。
- 新膀胱を増設した場合は施術の行われた日。
- 尿路変更術の施術を受けた場合は手術の日から6ヶ月を経過した日。
- 在宅酸素療法を開始した場合は療法を開始した日。
- 切断または離断による肢体の障害は原則として切断または離断した日。
- 人工血管または人工心臓の装着または心臓移植の施術を受けた場合は装着または施術の日。
※本件の受給事例は個人情報保護法の趣旨に沿って文章を作成しました。