目次
江東区の男性のパニック障害・うつ病による障害年金の受給事例
結果
障害厚生年金3級決定
年金額 657,000円
ご相談
江東区の男性ご本人から以前ご自身で障害年金の手続きを行ったが不支給となってしまったためもう一度手続きを希望しているとのことでご相談のお電話をいただきました。
お話を伺ったところ、現在はパニック障害で病院を受診しているとのことで、前回障害年金の請求をした時もパニック障害の病名で手続きを行ったとのことでした。
このため、パニック障害などの神経症の場合には原則として障害年金の受給が難しい旨をご説明したところ、ここ数年間の病名はパニック障害だが、症状と治療内容はうつ病と同じものであり、担当医もうつ病の可能性もある旨を指摘しているとのことでした。
このことからご面談を実施し、詳しくお話を伺うこととなりました。
ご面談
ご自宅近くのファミリーレストランでご夫婦とご面談を実施することとなりました。
今までの経過を詳しく伺ったところ今から1年ほど前にパニック障害で障害年金の手続きを行ったが、不支給となってしまったとのことでした。
審査請求を行う可能性も分かってはいたものの、手続きの仕方が難しく感じたため審査請求は行わなかったとのことでした。
ご病気は現在から30年ほど前に仕事の帰宅途中に電車の中で突然息が苦しくなり、激しい動悸に見舞われたのが始まりとのことでした。
その後、数日経った夜に突然目まいとふらつき、不安感に襲われたため、救急車で江東区内の病院に運ばれたとのことでした。
その後、最寄りの病院で受診を継続したものの、物事に集中できない、疲れやすい、電車に乗れない等の症状が継続していたとのことでした。
そして同一の病院を数年前まで受診していましたが、病状はあまり改善しませんでした。
またこの間、不眠や不安、意欲低下などの症状があり職場のストレスや実父の死亡などストレスがかかるたびに病状が悪化したとのことでした。
このため、就労はあまり継続できず転職や休職をこの間繰り返していたとのことでした。
前回の請求から初診日の特定、保険料納付要件に関しては問題がなく、加入年金が厚生年金であることも確認できていました。
このため、障害年金の受給手続きを行うためには現在の病状(うつ病)を反映した診断書を入手することが必要である旨お話しました。
お手続き
診断書の作成に関して前回の請求で神経症(パニック障害)で不支給となっているため、弊所より担当医師にその旨をお伝えしたところ病名に関しては、ご本人が次回受診した時にご本人と相談してみるとのことでした。
その旨をご本人に伝えるとともに弊所でご面談時に伺った内容をもとに担当医が診断書の作成を行い易いように依頼状を作成しました。
この結果、診断書の内容に変更が加えられ、病名がパニック障害・うつ病と変更になりました。また診断書の内容もご面談時に伺ったご本人の病状を反映したものとなっていました。
一部診断書の内容については記載漏れなど修正、追記を加えるべき点がありましたので、この点に関して弊所から直接病院に修正、追記依頼を行いました。
その後、ご面談時に伺った内容をもとに病歴・就労状況等申立書を弊所にて作成しました。
初診日から現在まで30年ほどの期間があったためボリュームはかなりのものとなりましたがこの間の病歴、就労状況、休職期間、日常生活状況について詳細に記載しました。
請求のポイント
前回の請求が不支給となってしまった原因は病名が神経症(パニック障害)だったことです。
原則的に神経症は障害年金の対象とはならず、例外的に精神病と同様の病態を示している場合にその旨を診断書の備考欄に ICD -10コードをとともに記載した場合で限り障害年金の対象になる場合があります。
本件の場合は担当医師が最近の病状や治療内容からうつ病の可能性を以前より指摘していたこと、弊所にて前回の手続きで障害年金の支給が受けられなかった旨をお伝えしたことなどにより、現在の病名について確認したところ病名の変更が認められ障害年金を受給することが可能となりました。
担当医師の考えとしてはできるだけ軽い病名をつけることでご本人の回復を望んでいるのかもしれません。
一方で、障害年金の手続きにおいては、神経症では障害年金の受給は難しい部分がありますので、そのような担当医師の配慮が仇となった形となりました。
また、本件の場合初診日から30年以上経過していたため本来であれば初診日の証明が難し場合もありますが、30年間継続してほぼ同じ病院を受診していたため、初診日の特定を行うことが可能となりました(この点に関しては前回の請求で確認済みでした)。
※本件受給事例に関しましては個人情報保護法の趣旨に則り文章の内容を作成しています。