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障害年金の遡及請求(さかのぼりの請求)の7つのポイント

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更新日:2019年8月5日

障害年金の遡及請求(さかのぼり請求)とは障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日)の診断書を添付して請求する認定日請求に対して、障害認定日から1年以上経過してしまった場合に過去の分の診断書(障害認定日以後3か月以内の診断書)と現在の病状の診断書の二通を添付して過去の分の年金も含めて障害年金を請求する請求方法をいいます。

遡及請求は障害年金のお手続きの中でも難しい部類に入る請求方法ですのでここでポイントとなる点につきまして解説いたします。

遡及請求(さかのぼり請求)は5年間分のみ

遡及請求(さかのぼり請求)は最大で5年間分のみしか行うことができません。

例えば、『障害年金の制度を知らずに10年間ご病気で通院したとします。10年経過後に障害年金という制度知り手続きを開始します。10年間ずっと同じ病院を受診していたため、10年間すべてのカルテが残っていました。

そこで、初診日から1年6ヶ月後の日(障害認定日)以後3か月以内の診断書と現在の診断書2通を担当医に作成してもらい障害年金の請求をしました。

8年以上の年金をまとめて受給できるものと期待していましたが、結果は障害認定日から現在(請求日の翌月)までの約8年半分の障害年金の内の新しい方の部分(現在からさかのぼって5年分)である5年分しか受給できませんでした。』

上記の事例では、法律によって5年より以前の分は時効によって消滅すると規定がありますので5年より古い部分については、時効によって消滅してしまい、たとえ自己の権利であったとしても請求することができなかったということです。

時として高額の年金額となることも

遡及請求(さかのぼり請求)の場合は最大5年分の年金が一時に支給されます。このため、時として思いもよらない高額の年金を受給できる場合があります。

障害基礎年金2級の場合、年金額が月約65,000円受給できますので平成31年度現在年間で780,100円、5年分で3,900,500円受給できることになります。さらに、高校生以下のお子様がいらっしゃる場合には1人当たり224,500円の加算額がつきます(3人目以降は別の計算)のでさらに額が上がります。

さらに障害厚生年金2級の場合(初診日に厚生年金に加入していた場合)には報酬比例の年金額が加わりますので総額1千万円以上の年金額を一時に受給される方もいらっしゃいます。

(参考記事:障害基礎年金の年金額

認定日の診断書を入手できるかが分かれ目

まずは初診日の特定ができるかどうかが重要

遡及請求を行う場合にもまずはじめに初診日の特定を行えるかどうかが重要です。初診日とは症状が出て初めて医師の診断を受けた日をいます。

初診日から現在まで同じ病院を受診している場合には、障害認定日当時の診断書及び現在の病状を記載した診断書の二通に初診日の日付を記載してもらうことで足ります。

初診日に受診した病院と障害認定日当時に受診した病院及び現在受診している病院が異なる病院の場合には受診状況等証明書を初診時に受診した病院に作成してもらう必要があります。

うつ病などの精神疾患の場合には、初診時の病名と現在の病名が異なる場合にも症状が出て初めて受診した日が初診日となります。

例えば、不眠症となり最寄りの内科を受診後に精神科に転院し、精神科でうつ病と診断された場合は不眠症で最寄りの内科を初めて受診した日が初診日となります。

障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日)以後3ヶ月以内の診断書

障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日)以後3か月以内の診断書を入手できるかどうかが遡及請求(さかのぼり請求)ができるかどうかの分かれ目となります。

例えば、初診日から10年経った後に障害年金を受給できるかもしれないことを知り、遡及請求(さかのぼり請求)する場合に必要となる診断書は、初診日から1年6ヶ月後の日(障害認定日)以後3ヶ月以内の病状を記載した診断書と現在の病状を記載した診断書の二通になります。

この場合よくあるご質問として「初診日からしばらくの間病院を受診しなかったため、初診日から1年6か月の時点では受診記録がないが3年後以降は受診しているため、初診日から3年後の診断書では、だめなのか」というご質問です。

しかしこのような場合には遡及請求(さかのぼり請求)での障害年金を請求することはできません。なぜなら、遡及請求(さかのぼり請求)で障害年金を請求する場合には、障害認定日以降3ヶ月以内の診断書を提出しなければならないという決まりになっているからです。

このため過去の任意に入手できた時期の診断書を提出したとしても障害年金のさかのぼりでの受給はできません。

初診日が20歳前にある場合の障害認定日

初診日が20歳前にある場合には障害認定日の特例があり、障害認定日は20歳の誕生日の前日となります(20歳前傷病による障害基礎年金)。

またこの場合の障害認定日の診断書は、20歳の誕生日の前日前後3ヶ月以内(計6ヶ月)の病状を記載した診断書を提出する必要があります。

※初診日が20歳前にある場合でも、初診日から1年6ヶ月後の日が20歳の誕生日以後にある場合には原則通り初診日から1年6ヶ月後の日が障害認定日となります。

カルテの保存期間は5年

しかしここで問題となるのはカルテの保存期間が法律で5年間と決まっているということです。ということは裏を返せば5年を経過してしまったカルテなどの受診記録は廃棄してしまったとしても法律上は問題がないということになります。

病院では、沢山の患者さんが日々受診されますのでカルテが日々増えていっています。このため、受診歴がなく5年を経過してしまったカルテは、廃棄してしまう場合があります。

このため、長い年月を経過してしまった後に障害年金の請求をしようと思い、いざ初診日から1年6か月後の日以後3ヶ月以内の診断書を当時受診したクリニックに作成してもらおうと思ってもすでにカルテが廃棄されてしまい作成ができなくなる場合が多くあります。

一方で大学病院のような大きい病院の場合にはかなり古いカルテも残っている場合があります。さらに町の病院の場合にもカルテが倉庫に保管されている場合があります。

このためカルテ等の資料が残っているかを確認する際は倉庫に保管されていないかどうかも念のため確認することをお勧めいたします。

診断書はカルテに基づいて記載されなければいけない

さらに、過去の分の診断書は、カルテに基づいて記載されなければなりません。このため、たとえ当時担当してくれた医師が当時のままクリニックで診断を続けていたとしても、カルテが廃棄されている場合には診断書を入手することはできません。

医師が記憶に基づいて診断書を作成することも認められていません。

このため障害認定日当時の診断書の作成依頼を行った場合に、カルテの記載のみでは情報が少なすぎるため詳細な内容を記載しなければならない障害年金用の診断書の作成は難しいと断られてしまうケースがよくあります。

障害認定日から現在までご病気が継続している

過去の分の障害年金を請求する場合、当該ご病気が障害認定日から現在まで継続していないため遡及請求(さかのぼり請求)ができない場合があります。

例えば、がんうつ病で10年前からの年金を請求しようと考えた場合に途中病状が回復し、フルタイムで働いていたような期間がある場合には障害が継続していないため遡及請求(さかのぼり請求)が認められない場合が多くあります。

遡及請求が認められない場合は現在以降の年金

遡及請求(さかのぼり請求)が認められない場合は現在以降の年金を請求する形になります事後重症請求) 。

また遡及請求を行った場合にもさかのぼりでの請求は認められないが請求以後(現在以降)の年金は支給するという決定がされる場合も多くあります。

この場合は障害認定日当時は病状があまり重くなかったものの、現在は病状が重く障害認定基準に該当するような病状である場合などが当てはまります。

審査の結果の確認方法

ご自宅に通知が届く

障害年金の遡及請求を行った場合、審査の結果が約2ヶ月から4ヶ月後にご自宅に送付されてきます。

送付されてきた通知の内容により遡及請求が認められたかどうかが分かります。

年金証書のみが郵送された場合

「年金証書」のみが郵送されてきた場合は遡及請求が認められかつ今後も障害年金の受給も認められたことになります。

この場合には障害認定日から現在までの障害年金がまとめて支給され(最大5年分)今後も2ヶ月に1回障害年金を受給することが出来ます。

年金証書及び不支給通知が届いた場合

「年金証書」と「不支給通知」が届いた場合には遡及請求は認められず、今後の年金の受給のみが認められた場合です。

現在の病状は障害年金の認定基準の等級に該当しているものの、障害認定日当時の病状が等級に該当していなかった場合がこのパターンになります(または途中に病状が回復して就労していた期間がある場合)。

この場合には過去の分の年金は受給できませんが今後2ヶ月に1回2ヶ月分の障害年金が支給されることとなります。

遡及請求が認められなかった場合にはそのことのみの審査請求を行うことができます。

審査請求は決定が自宅に届いた日の翌日から3ヶ月以内に行う必要があります。

2通の不支給通知が郵送された場合

2通の「不支給通知」が郵送されてきた場合には遡及請求及び現在以後の年金の支給(事後重症請求)の両者が認められなかった場合と言えます。

この場合には、障害年金が過去の分も含めて受給できないことになりますので、結果に不服がある場合には審査請求を行うことができます。

遡及請求が認められた場合に注意点

遡及請求が認められた場合に注意しなければならない点として生活保護や傷病手当金、労災保険を受給していた場合の調整の問題があります。

障害認定日から現在までの期間に生活保護や傷病手当金、労災保険などを受給していた場合には障害年金と併給することはできませんので受給していた分に関しては遡及請求で受給した金額から返金しなければならない場合がありますので特に注意が必要です。

まとめ

・遡及請求(さかのぼりでの請求)に成功した場合は一時期にかなりの額の障害年金を受給できる場合があります。

・遡及請求(さかのぼりでの請求)が認められるためには障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日)以後3ヶ月以内の病状を記載した診断書を提出する必要があります。一方で5年以上経過したカルテは廃棄されてしまう場合があるため障害認定日当時の診断書が入手できないため遡及請求が出来ない場合があります。

・障害認定日から現在までの間に病状が回復し就労した期間がある場合には遡及請求が認められない場合があります。

・遡及請求の結果はご自宅に郵送されます。遡及請求に成功した場合には障害認定日のある月の翌月を支給開始日と記載された年金証書が送付されます。

・遡及請求は認められなかったが事後重症請求は認められた場合には不支給決定通知書と年金証書の両方が送付されますので注意が必要です。

 

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コメント

  1. 杉田れいこ より:

    わかりやすく説明してあって助かります。ひとつ、障がい者年金受給最初の一月だけ金額が多いということはありますか?

    1. 佐藤 好輝 より:

      最初の月に関しましては事務処理の都合上年金額が2ヶ月分以上入金される場合があります。
      また遡及請求の場合は最大で5年分の年金が最初の月に入金される場合があります。

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