障害年金はほとんどの疾病が対象となりますが適応障害は原則として障害年金の対象とはなりません。
一方で適応障害と診断される場合もさまざまですので場合により障害年金の受給が可能となる場合もあります。
目次
適応障害による障害年金の受給
原則として受給は出来ません
原則として適用障害によって障害年金を受給することはできません。
適応障害は、主に環境の変化などによるストレスによって発症する疾病ですが、これらのストレスが取り除かれた場合には適応障害も回復します。
また、適応障害の症状には抑うつ気分、不眠、不安感、気分の落ち込み、イライラ感、食欲不振、便秘、頭痛、集中力の欠如、物忘れなどの症状がありますが、これらの症状も他の精神病と比べて軽度な場合が多くこのことも障害年金の対象外とされる理由です。
難しい適応障害の診断
一方で、適応障害とうつ病の違いはあいまいで症状も重複している症状が多くあります。
適用障害の症状である不眠、不安感、気分の落ち込み、イライラ感などはすべてうつ病の症状でもあります。
このことから、適応障害と診断されていても本当はうつ病であったり、また担当医師自身も適応障害とうつ病の診断に迷われている場合もあります。
適応障害で障害年金が受給できる場合
精神病の病態を示している場合
傷病名が適用障害の場合でも病状が重くうつ病や統合失調症などの精神病と同様の病態を示している場合には、障害年金を受給できる可能性があります。
この場合には診断書の⑬「備考」欄に「精神病の病態を示している」旨及び精神病のICD-10コードを記載してもらうことで障害年金を受給できる可能性があります。
この場合「精神病(うつ病等)の病態を示している」旨の文言と精神病のICD-10は必須となりどちらかが記載漏れとなっている場合は不支給となる可能性が高まりますので注意が必要です。
うつ病などの精神病を併発している場合
適応障害と診断されている場合にも適用障害のみではなく、うつ病を併発している場合があります。
この場合には診断書の①「障害の原因となった傷病名」の欄に「うつ病・適応障害」と併記してもらうことで障害年金を受給できる可能性があります。
本当はうつ病の場合
適応障害と診断されている場合でも、障害年金の手続きを開始し担当医師に確認すると傷病名が適用障害からうつ病に変更となる場合があります。
これは適応障害とうつ病が傷病の境が曖昧であり症状も酷似している点、担当医師が傷病名について明確に本人に伝えていない点、担当医師が障害年金の手続きについてそれほど詳しくない点などが傷病名が変更される理由として考えられます。
このことから、障害年金の手続きを行う場合には適用障害と診断されている場合でも、今一度担当医師に傷病名について確認する必要があります。