診断書

うつ病での障害年金の診断書についての5つのポイント

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障害年金の請求手続きにおいて最も重要な書類の一つが担当の医師が作成する診断書です。この重要性に関しては、うつ病での障害年金の請求手続きにおいてもまた同様です。

うつ病で障害年金を請求する場合の診断書についてその重要なポイントを解説いたします。

目次

初めて医師の診療を受けた日(初診日)

診断書の表面の③欄の「初めて医師の診療を受けた日」については、初診日が特定できているかどうかという点で大変重要な記載欄となります。

特に同一の病院に継続してかかっている場合にはその病院の初診日が③欄においても初診日となりますが、不眠やその他の症状で前の病院を受診していた場合にはその病院の初診日が③欄に記載する初診日となります。

また③欄の右端の「診療録で確認」と「本人の申し立て」のどちらかに丸をすることになりますが、この部分が「本人の申し立て」に〇がされた場合には原則として別途受診状況等証明書(初診日の証明書)を添付しなければなりません。

診断書の記述欄について

記述内容には注意が必要

うつ病(精神の障害用)の診断書には何ヶ所か医師が記述(文字で記入する部分)しなければならない部分があります(表面⑦、⑧、⑩-イ、裏面⑪、⑫欄)

まずこれらの記載が本来の病状に比べて簡潔に記載されてしまう場合や空欄になってしまう場合があります。

基本的に記載内容が極端に簡潔な場合は病状が軽いのではないかと判断される場合が多くあります。

また、記載されてる場合でも現状と違う病状が記載されたり、或いは現状よりも軽く記載される場合もありますので記載内容に関しては注意が必要です。

医師は患者の全てを知っている訳ではありません

うつ病での障害年金の請求において障害年金用の診断書を作成する場合、診断書の記載内容は多岐にわたり例え担当医といえども患者のことを全てを知っている訳ではありませんので、幼少期の出来事や教育歴、職歴等についてはできるだけメモ書きなどを作成し、医師が診断書を作成し易いように配慮する必要があります。

また同じように病状面におきましても日常生活のどの部分に支障が生じているか(食事の準備、自室の掃除、入浴、金銭管理等)について事前に準備をし医師に伝える必要があります。

医師は診療の合間を縫って時間の無い中、障害年金用の診断書を作成しますので、医師に対するこのような配慮を行うことによって、より病状に沿った内容面で誤りのない診断書を作成することが可能となり、障害年金の手続きをスムーズに進めることができます。

診断書の裏面について

日常生活状況について

裏面の左上に日常生活状況という欄があり、現在入院しているのか、或いは在宅なのか同居者の有無やその他の全般的な状況を記載する欄がありますが、うつ病での障害年金を請求する場合、現在入院している場合などは障害年金の受給が有利になる場合があります。

また逆に、現在一人暮らしで同居者がいない場合には、障害年金の審査において不利になる可能性もあります。

ただ一人暮らしをしているということだけでうつ病での障害年金の受給ができなくなるということはありません。弊所での手続きを行ったなかでも一人暮らしで、障害基礎年金2級を受給出来ている方も沢山いらっしゃいます。

日常生活能力の判定について

右に行くほど重い病状

「日常生活能力の判定」は以下の事項について病状が判断されます。

(1)適切な食事・・・配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることができるかどうか。

(2)身辺の清潔保持・・・洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができるかどうか。また自室の清掃や片付けができるかどうか。

(3)金銭管理と買い物・・・金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできるかどうか。また一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるかどうか。

(4)通院と服薬・・・規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるかどうか。

(5)他人との意思伝達及び対人関係・・・他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるかどうか。

(6)身辺の安全保持 及び危機対応・・・事故等の危険から身を守る能力があるかどうか。通常と異なる事態となった時に他人に援助を求めるなどを含めて適正に対応することができるかどうか。

(7)社会性・・・銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能かどうか。また、社会生活に必要な手続きが行えるかどうか。

以上の7つの項目についてそれぞれ「できる」「概ねできるが時には助言や指導を必要とする」「助言や指導があればできる」「助言や指導してもできないもしくは行わない」の4段階で評価します。

基本的にこのチェック欄がすべて左の「できる」にチェックが入った場合(うつ病の場合)には、障害年金を受給することはできません。

障害年金は、就労や日常生活に支障が生じている場合に支給される年金ですので、(うつ病の場合で)自分の身の回りのことが全てできる場合には障害年金を受給することはできません。

日常生活能力の程度について

日常生活能力の程度の欄については、

(1)うつ病(病的体験 ・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが社会生活は普通にできる。

(2)うつ病を認め家庭内での生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である。
※例えば、日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難を生じることもある。社会行動や自発的な行動が適切にできないこともある。金銭管理は概ねできる場合など。

(3)うつ病を認め家庭内での単純な日常生活はできるが、ときに応じて援助が必要である。
※例えば習慣化した外出はできるか家事をこなすために助言や指導を必要とする。社会的な対人交流は乏しく、自発的な行動に困難がある。金銭管理が困難な場合など。

(4)うつ病を認め日常生活における身の回りのことも多くの援助が必要である。
※例えば著しく適性を欠く行動が見受けられる。自発的な発言が少ない、あっても発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。金銭管理ができない場合など

(5)うつ病を認め身の回りのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。
※例えば家庭内生活においても食事や身の回りの事も自発的にすることができない。また、在宅の場合に通院等の外出には付き添いが必要な場合など。

この欄に関しても、(1)にチェックが入った場合には、障害年金を受給することはできません。

日常生活能力の判定と同様に障害年金(うつ病の場合)は、就労や日常生活に支障が生じている場合に支給される年金ですので、社会生活が普通にできる場合には受給することはできません。

一般的には(2)から(4)ないしは(5)にチェックが入ることになりますが、一般的には(2)にチェックが入った場合に障害年金3級、(3)にチェックが入った場合には障害年金3級か2級、(4)(にチェックが入った場合には障害年金2級、(5)にチェックが入った場合には障害年金2級または1級になる場合が多いと思われます。

担当医師へ依頼する場合

担当医師へうつ病での障害年金の作成を依頼する場合、担当医師といえども日常生活を共にしているわけではありませんので「適切に食事をしているか」「身の回りの清潔が保持できてるか」どうかなどは分からないことのほうが多いと思われます。

例えば、病院に行く前日だけ入浴しているにもかかわらず医師は受診時に清潔が保たれているということで「身辺の清潔保持ができる」と判断してしまうかもしれません。

このことから、診断書の作成を依頼する場合には、日常生活についてメモ書きなどを作成し、担当医師に手渡すなどの工夫が必要です。

うつ病での障害年金の請求と就労について

就労している場合

一般的には精神障害で障害年金を請求する場合で就労している場合でも障害年金を受給できる場合があります。

例えば知的障害者や発達障害などの場合には A型 B型就労支援施設などに就労しながらまたは障害者枠などで就労を行いながら障害年金を受給されている方がいます。

一方でうつ病の場合には就労行っている場合には、障害年金を受給することが難しくなる場合があります。

これは、うつ病というご病気が意欲が低下したり、朝ベッドから起きられないといった症状が主たる病状であるため、就労行っているということはうつ病の病状が軽いと判断される場合が多いためだと思われます。

このため、担当の医師がうつ病の病状について大変重いと判断した場合でも就労を行っているという事実のみで(或いはこの点が重視され)障害年金の受給が認められないという方が多数いらっしゃいます。

診断書裏面⑪欄「現時の日常生活能力及び労働能力」

この欄は必ず記載しなければいけない記載欄ですが、ここに記載される一言の文言で年金が受給できるかどうかが決まる場合もあります。

例えば、担当の医師が何気なく記載した「軽労働は可」の文言で年金が受給できなくなる場合もあります。

例えば障害基礎年金2級の場合は労働と日常生活に著しい支障が生じている場合に支給される年金ですので、この記載欄に「軽労働は可」一つと記載されたことで労働と日常生活に著しい支障が生じていないと判断され年金が受給できない場合があります。

もちろん軽労働ができるのであれば軽労働は可と記載されることは当然のことですが、時として労働が一切できないのにもかかわらず軽労働は可と記載されてしまう場合があります。

一般的には「現時点で労働は難しく日常生活にも著しい支障が生じている」などと記載される場合が多いですが、不実を記載することはできませんが就労ができない場合や日常生活に著しい支障が生じている場合などは現状を医師に説明するなど現状とかけ離れた記載とならないようにこの記載欄には十分注意が必要です。

まとめ

・うつ病で障害年金を請求する場合、他の病気の場合と同様に診断書は最も重要な書面の一つとなります。

・医師は患者と生活をともにしているわけではありませんので労働状況や日常生活状況についてメモ書きを作成するなど、医師に伝える準備をすることが重要です。

・うつ病においては就労行っている場合、障害年金を受給できない場合がありますのでこの点については注意が必要です。

 

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