障害年金を受給するためにはいくつかの要件をクリアしなければなりません。この要件の一つが国民年金保険料の納付要件です。
目次
保険料の納付要件
障害年金を受給するためには保険料の納付要件を満たす必要があります。
障害年金も一般の入院保険などと同じで入院する前に保険料を払っていなければ入院保険は支払われないのと同じように病気になる前に国民年金保険料を支払ってなければ障害年金を受給することはできません。
ただ、国民年金保険料すべて支払っている必要はなく、初診日の前日を基準に初診日のある月の前々月までの直近の1年間に未納がない場合、または国民年金の被保険者期間の3分の2以上支払っている場合は保険料の納付要件を満たします。更に詳しく⇒障害年金を受給するための保険料納付要件とは
保険料が未納だと障害年金を受給できないか
上記のように障害年金を受給するためには一定の保険料納付要件を満たさなければなりません。
一方で、保険料の納付要件はすべての保険料の納付を要求しているわけではありませんので、全体の3分の2か直近の1年間の納付の要件を満たせば保険料の納付要件を満たし障害年金を受給することが可能となります。
免除を受けている場合
また国民年金保険料の免除を受けている場合はその期間は年金保険料支払っていたこととみなされますので、保険料納付要件を満たす可能性があります。
ただこの場合、免除の手続きは初診日の前日までに終了していなければなりません。
よくあるケースとして病院を受診した後(初診日の後)に保険料の免除申請し、さかのぼって保険料を納付しているケースです。
この場合、年金事務所で確認することでいつ免除の手続きをしたかが判りますので初診日以後に続きをしている場合には保険料の納付要件を満たさない場合があります。
初診日が20歳前の場合
初診日が20歳前にある場合には、国民年金の保険料の納付義務がありませんので、国民年金保険料を支払っていない場合でも障害年金を受給することができます。
このため、国民年金保険料の納付要件を満たさない場合には、もう一度ご自身の受診状況を確認し20歳よりも前に受診がなかったかどうかを確認する必要があります。
統合失調症などの未成年時に発症する場合が多い病気などの場合には20歳よりも前に受診しているケースがあり、その時の受診状況等証明書を取得することで思わぬ形で障害年金を受給できるケースがあります。
国民年金の三号被保険者の場合
国民年金の三号被保険者とはサラリーマンの被扶養配偶者のことをいいます。
サラリーマンの被扶養配偶者の場合には、給料から被扶養配偶者の年金保険料が天引きされていますので、国民年金の三号被保険者の期間は年金保険料を支払っていることになります。
違う病気で受給する場合
保険料の納付要件を満たさないために障害年金を受給できない場合にも他の病気で請求する場合には、障害年金を受給できる場合があります。
例えば、障害年金が保険料の納付要件を満たさなかったため受給できなかった場合でも、その時点から保険料の納付を開始すればその後に他の病気にかかり障害が残った場合には、障害年金を受給できる場合があります。
障害年金は、直近の1年間保険料を納付していれば受給できる制度ですので、気が付いた時から保険料を支払い始めれば少なくとも1年後以降には保険料納付要件に関しては、障害年金の受給資格が得られることになります。
このため国民年金の保険料は老後の備え(老齢基礎年金)ということだけではなく、障害年金を受給するための備えとしても納付する必要があるといえます。