目次
脳梗塞による40代男性の障害厚生年金2級の受給事例
結果
障害厚生年金2級決定
年金額 178万3,800円
遡り額 891万9,000円
ご相談
現在脳梗塞の後遺症のためマッサージやリハビリなどを継続しているものの、左半身に麻痺が残っているとのことでご相談のお電話をいただきました。
障害年金の受給ができることについて知らなかったため手続きをしてこなかったとのことで、できれば手続きの代行を依頼したいとのことでした。
現在の病状について伺ったところ、左半身に麻痺が残っており、左手が使えず日常生活に支障が生じておりまた左足の麻痺により歩行にも支障が生じているとのことでした。
初診時について伺ったところ、現在から10年ほど前に手脚に異変を感じたため、最寄りの病院を受診したとのことでした。
保険料の納付状況について伺ったところ「継続して厚生年金に加入しているため保険料の未納はない」とのことでした。
このことからさらにお話を伺うためご面談を実施することとしました。
ご面談
ご面談時に発病から現在までに様子を伺ったところ、現在から10年ほど前に手脚にしびれを感じたため、最寄りの病院を受診したとのことでした。
受診が結果、脳梗塞と診断され直ちに入院となったとのことでした。
その後、リハビリを行うためにリハビリ専門の病院に転院し、リハビリ行ったものの左半身が麻痺が残ってしまったとのことでした。
さらに投薬治療及びリハビリを継続したものの、現在でも左手に麻痺が残りまた左脚も歩行に支障が生じる状態であるとのことでした。
就労に関しては、退院後に復職したものの会社の計らいでデスクワーク中心の職場に異動になり就労を継続しているとのことでした。
障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日または症状固定日)当時の受診について伺ったところ、投薬治療及びリハビリで受診を継続していたとのことでした。
このことから、障害認定日当時の診断書及び現在の病状を記載した診断書を提出することで さかのぼりでの請求(遡及請求)を行うことが可能である旨をお伝えしました。
請求手続き
診断書の作成依頼
障害認定日当時の病状を記載した診断書及び現在の病状を記載した診断書の作成依頼に関しては、特に問題がないためご本人から行っていただくことなりました。
一方で現在の病状を記載した診断書に関しては現在の病状を明確に担当医師に伝えるため、ご本人から伺った内容をもとに依頼状を作成し診断書用紙に添付することとしました。
医師は診察の合間を縫って忙しい中、障害年金用の診断書を作成するため診断書の内容が誤っていたり記載漏れがある場合があります。
また、診断時間が短時間である場合には、患者の病状を必ずしも適切に把握していない場合もあり、現状を映えしていない診断書により、障害年金の受給が難しくなる場合があります。
このことから、依頼状を添付することによって現在の病状を担当医師に明確に伝えることで、現在の病状を反映した診断書の入手が可能となります。
診断書完成後の確認と手続きの終了
その後、完成した診断書の内容確認したところ認定日時点の診断書及び現在の病状を記載した診断書とも記載漏れや誤った記載などの申請の必要な箇所などありませんでした。
このため、ご本人から伺った内容をもとに病歴就労状況等申立書を作成しました。
本件はさかのぼりでの請求(遡及請求)であったため、認定日時点での病状、受診状況、日常生活の様子、就労状況等について詳細に記載し、また障害認定日から現在に関しても過不足なく記載しました。
その後必要書類とともに診断書及び完成した病歴就労状況等申立書を提出することで手続きを完了し、数ヶ月後に障害厚生年金2級のさかのぼりでの受給決定を受けることができました。
請求手続きのポイント
障害厚生年金2級の認定
本件の場合、手脚に麻痺が残っていたため、障害厚生年金2級の認定となりました。
下肢のみに障害が残っている場合には歩行に杖が必要になっている段階で3級、車椅子を使用しなければならない病状で2級に認定されるケースが多いと思われますが、本件のように手脚に障害が残っている場合には2級に認定される場合が多くあります。
さかのぼり請求(遡及請求)の可否
また本件では障害認定日から受診を継続しており、病状にも大きな変化がなかったためさかのぼりでの請求(遡及請求)を行うことが可能となりました。
さかのぼりでの請求(遡及請求)の場合、障害認定日当時の病状と現在の病状が両方ともに障害等級に該当している必要があります。
障害認定日当時は障害等級に該当している病状の場合でも、現在の病状が軽快しているためにさかのぼりの請求(遡及請求)が認められない場合もあります。
本件の場合には、障害認定日から現在に至るまで病状の改善があるものの継続して障害等級に該当する病状であったためにさかのぼりでの請求(遡及請求)が認められました。
障害認定日の特例
また脳梗塞による肢体の障害の場合には、障害認定日の特例が適用され、初診日から6ヶ月を経過し、担当医師が症状が固定したと判断した場合には症状が固定されたと判断された日が障害認定日となります。
本件の場合は、初診日から10年以上経過しており特に障害認定日の特例が適用される医師の判断もなかったため、原則通り初診日から1年6ヶ月後の日が障害認定日となりました。
※本件受給事例は個人情報保護法の趣旨に則り文章の内容を作成しています。