障害年金はほとんどの疾病がその対象となります。
一方で社会不安障害は原則として障害年金の対象とはなりませんが、いくつかの例外があり例外に該当する場合は障害年金の受給対象となる場合もあります。
目次
社会不安障害とは
社会不安障害とは人前で何かを行うことが過度の緊張のために難しくなりいくつかの症状が出てしまう疾病です。
社会不安障害の症状としては人前で何かを行う際に手の震えが止まらなくなったり、冷や汗が出る、声が上ずってうまくしゃべれなくなる、赤面、腹痛などの症状があります。
社会不安障害のこれらの症状は気持ちの奥底に他人のネガティブな評価に対する恐れ、人に迷惑が掛かってしまうのではないかといった恐れがあります。
社会不安障害による障害年金の受給
原則
社会不安障害は神経症のカテゴリーに属します。
神経症は障害年金の対象外とされていますので社会不安障害は原則として障害年金の対象とはなりません。
神経症が障害年金の対象外とされる理由には以下のものがあげられます。
①神経症はうつ病や統合失調症などの精神病と比べ一般的に病状が軽いと看做されている点
②神経症の場合は自らの意志で治療を行い病状を改善させる事が出来ると言う点
③神経症の患者にある神経症の症状が現れることへの一種の心理的現実的満足(疾病利得)
例外として障害年金の対象となる場合
精神病の病態を示している場合
社会不安障害が精神病の病態を示している場合は障害年金の対象となる場合があります。
この場合には障害年金用の診断書(精神の障害用様式第120号の4)の⑬備考欄に「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害、または気分(感情)障害の病態を示している」旨と示しているICD-10コードを明確に担当医に記載してもらうことが重要です。
他の疾病が併発している場合
社会不安障害の他に統合失調症やうつ病などの障害年金の対象となる他の疾病が併発している場合には障害年金の対象となる場合があります。
この場合には、障害年金用の診断書(精神の障害用様式第120号の4)の①「障害の原因となった傷病名」の欄に「うつ病・社会不安障害」のように傷病名を併記してもらうことで障害年金の対象となる場合があります。
請求手続き上の注意
上記例外事例に該当する場合はこれらの傷病のために就労や日常生活に著しい支障が生じている必要があります。
このことから、担当医師に診断書の作成を依頼する際には、就労や日常生活のどの部分に支障が生じているのかといった点を明確に伝え診断書に反映してもらう必要があります。
また、病歴就労状況等申立書を記載する際にも就労や日常生活についてのどの部分に支障が生じているのかについて詳細に記載することが重要です。