目次
うつ病による50代女性の障害厚生年金2級の受給事例
結果 障害厚生年金2級 決定
年金額 102万1,000円
ご相談
現在、うつ病と診断され病院を受診中であるとのことで50代の女性よりご相談のお電話をいただきました。
現在のご病状について伺ったところに月に1回病院を受診し投薬治療を継続しているものの不眠、意欲低下、不安感、希死念慮などの症状があり外出することができず日常生活に著しい支障が生じているとのことでした。
初診時の状況について伺ったところ、現在より4年ほど前に家庭内のトラブルがあり、このことがきっかけで不眠、食欲不振などの症状が出たため最寄りの病院を受診したとのことでした。
保険料の納付状況について伺ったところ初診日以前は継続して厚生年金に加入しており、保険料の未納はほとんどないと思うとのことでした。このことから、ご面談を実施し、さらに詳しくお話を伺うこととしました。
ご面談
ご面談を行い、発病から現在までの様子について詳しく伺ったところ、現在から4年ほど前に家庭内でトラブルがあり、このことがきっかけとなって不眠、意欲低下、食欲不振などの症状が出たため、最寄りの病院を受診したとのことでした。
受診の結果不眠症と診断され、投薬治療を開始したものの意欲低下の症状は改善しなかったとのことでした。
その後、病状が改善しないため転院したところ、うつ病と診断され、投薬治療を継続したとのことでした。
投薬治療はその後も2週間に1回受診し継続しているものの、病状は改善せず不眠、意欲低下、不安感、、希死念慮などの症状があり、その後医師の勧めにより休職したとのことでした。
現在も病状は改善せず就労はできず日常生活にも支障が生じ、家事もほとんどできない状態であるとのことでした。
障害認定日( 初診日から1年6ヶ月後の日)の受診について伺ったところ、障害認定日当時も受診を継続していたとのことでした。
このことから、障害認定日当時の診断書と現在の病状を記載した診断書の二通を提出することでさかのぼりでの請求(遡及請求)を行うことができる旨をご説明しました。
またご面談時に「現在の担当医師が障害年金の診断書について作成を拒んでおり困っている「」とのお話がありました。
このことから、弊所にて担当医師と診断書の作成についてご相談することとなりました。
請求手続き
弊所から担当医師に障害年金用の診断書の作成について再度依頼したところ、当初は作成することを渋っていましたが、弊所から障害年金の趣旨や重要性、また依頼者が障害年金を十分受給できる可能性がある病状である旨をご説明し、納得していただくことで診断書の作成に同意していただくことができました。
診断書の作成に当たり、担当医師の負担を少しでも軽減させるとともに、現在の病状を反映した診断書を入手するためにご面談時に伺った内容をもとに依頼状を作成し担当医師に渡すこととしました。
その後、障害認定日当時に受診していた病院に当時の診断書の作成依頼を行い現在の病状を記載した診断書とともに完成を待ち、弊社にて作成した病歴就労状況等申立書、その他必要書類とともに提出することで手続きを完了し、約3か月後に障害厚生年金2級の受給決定を受けることができました。
請求手続きのポイント
医師が診断書の作成を拒む場合
担当医師が障害年金用の診断書の作成を拒むケースがよくあります。
ご自身でお手続きを行う場合には、担当医師に診断書の作成を拒まれてしまい、障害年金の手続きを諦めてしまう方もいらっしゃいます。
医師が診断書の作成を拒む理由は様々ですが
①障害年金の制度について理解が不足している。
②障害年金の診断書の作成を負担(面倒)であると考えている。
③障害年金用の診断書の書き方が判らない。
④障害年金は入院するほどの病状でなければ受給することができないと考えている。
⑤自身の患者が障害年金を受給することを恥であると考えている(治療の効果が上がらない)。
⑥障害年金を受給するほどの病状ではないと判断している。
上記の理由のうち①~⑤に関しては医師と相談を行うことで診断書の作成を行ってもらえる可能性があります。
制度のついて理解が不足している場合は制度について理解していただくことで診断書の作成を行ってもらえる場合があります。
また、書き方が判らない場合は作成の仕方について詳しくご説明することで、こちらも作成をしてもらうことが可能となります。
一方で⑥の障害年金を受給するほどの病状ではないと判断されている場合には、障害年金の診断書を作成してもらうことは困難となる場合があります。
診断書の内容を決定する権限は、担当の医師にしかありませんので、その担当医師が年金を受給するほどの病状ではないと判断し、その内容を診断書内容として記載した場合には、障害年金を受給することが難しくなります。
うつ病の初診日の注意点
障害年金を請求する場合には初診日を特定する必要があります。初診日とは当該ご病気によって初めて医師の診断を受けた日をいます。
うつ病の場合にはうつ病と診断を受けた日ではなく、うつ病と相当因果関係がある症状が出たため病院を受診した日が初診日となります。
例えば、不眠症となり最寄りの内科を受診した後に精神科に転院しうつ病と診断された場合は不眠症で内科を受診した日が初診日となります。
※本件受給事例は個人情報保護法の趣旨に沿って文章の内容を作成しています。