障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の二つの種類があります。(かつては障害共済年金もありましたが、平成27年10月1日に共済年金と厚生年金が一元化されました)。
障害基礎年金と障害厚生年金はどのような違いがあるのでしょうか。
目次
障害基礎年金と障害厚生年金の違い
初診日に加入していた年金による
初診日に加入していた年金が国民年金の場合には、障害基礎年金が受給できます。一方で、サラリーマンなどをしていて初診日に厚生年金に加入していた場合には、障害厚生年金を受給することができます。
このように初診日に加入していた年金が国民年金か厚生年金かによって受給できる障害年金も区別されます。
国民年金は、学生や自営業者、サラリーマンの配偶者などが加入する年金のことをいいます。一方で厚生年金は、サラリーマンなどが加入する年金で年金保険料は給料などから天引きされます。
このことから初診日を特定することは大変重要な作業となります。基本的に初診日を特定することができない場合には、障害年金を受給することができなくなります。
これは、初診日が特定できなければ加入していた年金を判断できないからです(保険料納付要件を確認することができないという点もあります)。
受給額の違い
障害基礎年金の年金額は2級の場合が779,300円+子の加算と決まっています。この額は老齢基礎年金の満額に該当します。また、障害基礎年金の場合には子供の人数に合わせて加算額が支払われます。
一方で障害厚生年金の年金額は平均標準報酬額または平均標準報酬月額を基準に年金額が決定されます(報酬比例の年金額)。また、最低保証額として平成29年4月時点では584,500円と決められています。
また障害厚生年金の1級と2級には配偶者の加算がプラス(加給年金)されます。
このことから、障害基礎年金の場合には子の加算のみですが、障害厚生年金(2級以上)の場合には配偶者と子供の加算がつくことになります。
また障害厚生年金の2級以上に該当した場合には、障害厚生年金と障害基礎年金を両方受給することができますので、年金額が障害基礎年金のみの場合に比べて多額となります。障害厚生年金の場合(障害基礎年金+障害厚生年金)には10万円~16万円位の額になるのが一般的です。
3級と障害手当金は障害厚生年金のみ
障害基礎年金には1級と2級しかありませんが、障害厚生年金にはその下に障害厚生年金3級と3級に満たない病状の場合の障害手当金(一時金)があります。
障害基礎年金と障害厚生年金は受給できる額が異なるだけでなく、受給できる病状に関しても、障害厚生年金の方が手厚く保護されているといえます。
初診日が未成年時の場合は障害基礎年金
初診日が20歳前の場合で会社勤めなどしていない場合には、20歳前傷病による障害基礎年金として障害基礎年金を受給することができます。
この場合には保険料の納付義務がありませんので、国民年金保険料を支払っていない場合でも障害年金を受給することができます。
一方で、20歳を過ぎた場合には国民年金保険料の納付義務が生じますので国民年金保険料が未納の場合には、障害基礎年金を受給できなくなる場合があります。
20歳を過ぎても確かに、老齢基礎年金を受給するにはまだまだ時間がありますので、年金の保険料の支払いに関して怠ってしまう場合もあるかもしれません。
ただ、国民年金保険料を支払っていない場合には、障害年金を受給できなくなり、大変な立場に追い込まれることもあります。このことから20歳を過ぎたら国民年金保険料を納付することをお勧めします。