目次
川越市の50代女性のうつ病による障害基礎年金の受給例
結果
障害基礎年金2級決定
年金額 804,200円
さかのぼり額 556万1,540円
ご相談
現在、うつ病で受診中とのことでご主人様からご相談のお電話をいただきました。
病歴について簡単に伺ったところ、今から13年ほど前にストレスなどから不眠、不安感などの症状が出て川越市内の病院を受診したとのことでした。
現在は、外出することもほとんどなく家事を行うにも支障が生じ、家族の介助が不可欠になっているとのことでした。
保険料の納付状況について伺ったところ「第三号被保険者として保険料の未納はほとんどないと思う」とのことでした。このことから、さらに詳しくお話を伺うためご面談を実施することとなりました。
ご面談
保険料の納付状況の確認
ご面談に先立ち弊所にて保険料の納付状況について確認したところ、ご主人様のお話の通り保険料の未納はほとんどないことが確認できました。
病歴等の確認
ご面談当日はご主人様とのご面談となりました。発病からの様子を詳しく伺ったところ、現在から13年ほど前にご家族の介護疲れによってストレスがたまるようになり、不眠、不安感、意欲低下などの症状が出て川越市内の病院を受診されたとのことでした。
受診後、1週間ほど入院を勧められ入院することとなったそうです。入院後多少病状は改善したものの、退院後はご家族の介護を続けたため病状が再び悪化したそうでした。
その後月1回受診し投薬治療を継続していましたが、家族間のトラブルもあり、憂うつ感、不安感、不眠、意欲低下などの症状があり、一進一退でなかなか改善しなかったとのことでした。
その後も継続して受診していたものの、家族内のトラブルが続きそのストレスから病状は改善せず就労もできず日常生活に支障が生じていたとのことでした。
現在のご病状
現在は月に1回受診し投薬治療を継続しているものの、希死念慮があり、意欲低下、憂うつ感、無気力、不安感があり日常生活に著しく支障が生じており家事もできず、就労もできない状態が続いているとのことでした。
さかのぼり請求(遡及請求)の可能性
障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日)以後3か月以内の受診について伺ったところ、初診時から現在まで長期間にわたり継続して同じ病院を受診しているとのことで障害認定日当時も受診していたとのことでした。
また当時の病状を伺ったところ、現在とあまり変わらず日常生活に支障が生じる程度の病状だったとのことでした。
更に障害認定日から現在までの就労について伺ったところ、うつ病の病状が悪化していたため外で働いたことは一切ないとのことでした。
このことから、5年分に限りさかのぼりでの請求(遡及請求)が可能である旨をご説明しました。
診断書に関しては、障害認定日以降3ヶ月以内の病状を記載した診断書と現在の病状を記載した診断書が必要な旨をご説明したところ、近々病院に薬をもらいに行くのでその時にご主人様が担当医師に依頼してみるとのことでした。
このため、担当医師の診断書の作成を容易にしまた、現在の病状を反映した診断書とするためご面談時に伺った内容をもとに依頼書を作成し診断書用紙に添付することとしました。
請求手続き
13年前の初診日から現在まで同一の病院を継続して受診していたため、受診状況等証明書(初診日の証明書)は不要となり、障害認定日の診断書と現在の病状記載した診断書の二通の作成のみを現在受診している病院に依頼することとなりました。
また、診断書は内容的に誤っている部分や記載漏れがある場合が大変多いため、診断書完成後内容確認をしたところ、障害年金の診断書の作成にかなり慣れている担当医のようで簡潔ではあるが、過不足なく病状が記載され、特に修正や追記の必要もありませんでした。
さらに、さかのぼりでの請求(遡及請求)を行う場合、障害認定日当時の病状が極端に軽い内容となっているためにさかのぼりでの請求が認められず事後重症請求のみが認められるケースがよくあります。
本件の場合には、障害認定日から現在まで同じ病状だったというご主人様のお話の通り障害認定日の診断書と現在の病状を記載した診断書の内容はほとんど同じような内容となっていまたためさかのぼりでの請求(遡及請求)が可能となりました。
手続きのポイント
初診日から継続して同じ病院を受診している場合には受診状況等証明書(初診日の証明書)は不要であり、障害認定日時点での診断書または現在の病状記載した診断書に初診日の日付を記載することで足ります。
また、障害認定日以後3ヶ月以内に受診している場合にはさかのぼりで年金を請求することが可能になり、5年間に限りさかのぼって年金を受給することができます。
一方で、5年以上前の分に関しては時効によって消滅してしまい請求することはできません。
さかのぼりでの請求(遡及請求)を行う場合のポイントは障害認定日当時の診断書を入手することができるかどうか、また病状が障害認定日から現在まで継続して障害年金を受給できる程度の病状であるかどうかが重要です。
診断書に関しては、継続して同じ病院を受診している場合には長期間受診している場合でもカルテが残ってる場合がほとんどです。
また、特に精神のご病気の中でも うつ病の場合には、途中でフルタイム等で就労していないかどうかがポイントとなります。
本件の場合は障害認定日当時の診断書を入手することができただけでなくご病状も継続して悪かったために5年間の遡りで障害基礎年金2級を受給することができました。
※本件の受給事例は個人情報保護法の趣旨に沿って文書の内容を作成しています。