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横浜市鶴見区の男性の外傷性頸椎・腰椎椎間板ヘルニアによる障害基礎年金の受給事例
ご相談
現在から10年ほど前にバイクで転倒事故を起こし、このことが原因で現在は外傷性腰痛椎間板ヘルニア及び外傷性頚椎椎間板ヘルニアと診断され障害年金の受給を考えているとのことでご相談のお電話をいただきました。
現在のご病状について伺ったところ、現在は歩行時は常に杖を使用しているとのことで、階段の上り下りも手すりがなければ行えないとのことでした。
また、上肢にも障害が残り、日常生活の動作にも支障が生じているとのことでした。
初診時の病院について伺ったところ病院は残っており、またカルテも残っていることをご自身で確認済みとのことでした。
保険料の納付状況について確認したところ、「初診日以前は国民年金に加入しており、保険料の未納があるかもしれない」とのことでした。
このことから、一定の保険料の納付要件を満たさない場合には、障害年金を受給できない旨をご説明しご面談を行う前に弊所にて保険料の納付状況について確認し、その後にご面談を実施することとなりました。
ご面談
ご面談はあまり遠方まで出向くことができないとのことで鶴見区のご自宅近くの喫茶店でお話を伺うこととなりました。
国民年金保険料の納付状況について確認したところ、未納期間がかなりの期間ありましたが初診日がご本人の記憶通りであれば辛うじて被保険者期間の3分の2の要件を満たすことが確認できました。
病歴について詳細にお話を伺ったところ、今から10年ほど前にバイクの運転中自損事故を起こしたとのことでした。
当時は大したことがないと思っていましたが、首の痛みが回復しなかったため鶴見区内の病院を受診したとのことでした。
受診の結果頚椎症候群と診断され、その後投薬治療や患部の牽引を行ったとのことでした。
その後、病状は改善しなかったものの受診は自己判断で中断し温泉療養やマッサージなどの自己療養を行なっていたとのことでした。
そして数年経過した後、手足のしびれと首のしびれが出て就労に支障が生じたため、職場を退職したとのことでした。また病状が悪化にともない最寄りの整形外科を再び受診したとのことでした。
受診後、投薬治療を行いましたが、病状は改善せず手足や首のしびれから本格的な就労は行えず、体調の良い時に短期間のアルバイトを行っていました。
その後現在から2年ほど前に首のしびれや手足のしびれが悪化し日常生活の動作にも支障が生じるようになり、歩行には杖が必要になったとのことでした。
初診時の病院にはカルテが残っているとのお話でしたが、障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日)以降3ヶ月以内に病院を受診していなかったためさかのぼりでの請求(遡及請求)を行うことができない旨をご説明しました。
また、初診時に加入していた年金が国民年金のため病状が3級以下の場合には年金が受給できない旨も合わせてご説明しました。
請求手続き
初診日の病院にはご本人から受診状況等証明書の作成依頼を行って頂くこととなりました。
また、現在の病状を記載した診断書についてもご本人が次回の受診時に担当医師に作成依頼を行うとのことでした。
このためご面談時に伺った内容をもとに診断書の依頼状を弊所にて作成し診断書用紙に添付することとしました。
受診状況等証明書完成後、内容確認したところ初診時の記載が適切に行われており、特に問題はありませんでした。
さらに、現在の病状を記載した診断書の完成後に内容を確認したところ、内容に数ヶ所修正が必要な部分がありましたので弊所から直接担当医師に修正依頼を行いました。
また、病歴就労状況等申立書をご面談時に伺った内容をもとに弊所にて作成し、その他の書類とともに提出し手続きを終了しました。
結果
障害基礎年金2級決定
年金額 779,300円
手続きのポイント
初診日から10年ほど経過していましたが、初診日から1年6ヶ月後の日(障害認定日)以降3ヶ月以内に病院を受診していなかったため、さかのぼりでの請求(遡及請求)を行うことはできませんでした。
さかのぼりでの請求(遡及請求)を行った場合、時としてまとまった額の年金を一時に受給できる場合があります。
さかのぼりでの請求(遡及請求)を成功させるためには過去の分の診断書を入手する必要があります。
また、過去の分の診断書は、当時のカルテに基づいて記載されなければなりません。
一方で、カルテは通常後々障害年金用の診断書を記載するために作成されているわけではありませんので、障害年金用の診断書の記載を行うのに十分な内容の記載がされていない場合があり、このことがさかのぼりでの請求を難しくしています。
更にさかのぼりでの請求(遡及請求)を行う場合には、障害認定日から現在までの病状や就労状況が問題とされます。
障害認定日と現在の病状が障害年金を受給するに足りる病状だったとしても障害認定日から現在までの数年ないし十数年の間に病状が回復した時期がある場合は遡及請求が認められない場合もあります。
また、本件のように肢体の障害の場合には、たとえフルタイムで働いていても障害年金の受給には原則として支障が生じません。
一方で精神の障害や癌での障害年金の請求の場合にはフルタイムで就労していることが障害年金の請求においてマイナスに評価される場合があります。
※本件の受給事例は個人情報保護法の趣旨に則り文章の内容を作成しています。