受診状況等証明書が添付できない申立書は初診日の病院が廃院していたりカルテが残っていないために受診状況等証明書(初診日の証明書)を添付できない場合に提出する書類です。
受診状況等証明書が添付できない申立書を提出する場合には注意しなければならないいくつかのポイントがあります。
目次
初診日の重要性
初診日とは
障害年金において初診日とはご病気で初めて医師の診察を受けた日を言います。
病名が決まった日ではありません。
また糖尿病と人工透析などのように相当因果関係があるご病気の場合は前の病気で受診した日が初診日となる場合もあります。
初診日の重要性
厚生年金か国民年金か
初診日を基準に初診日の段階で厚生年金に加入されていた場合は厚生年金から障害厚生年金、国民年金に加入されていた場合は障害基礎年金がそれぞれ支給させるように初診日が基準となり支給される年金が決まります。
(関連記事:障害基礎年金と障害厚生年金の違いについて)
保険料の納付要件の基準
障害年金を受給するためには一定の保険料(国民年金)を支払っている必要があります(保険料納付要件)。
二十歳から初診日の前々月までの全体の3分の2以上支払っているか、または初診日の直近の1年間未納が無い場合は保険料納付要件を満たします。
このように初診日と特定することは障害年金の請求において初めに行う必要があり重要事項と言えます。
初診日の特定方法
受診状況等証明書の提出
初診日の特定は原則的に初診日の病院に受診状況等証明書を作成してもらい行います。
受診状況等証明書はA4の簡単な内容の証明書で原則的に病院のカルテに基づいて作成されます。
このため病院にカルテが残っていない場合※や廃院している場合は受診状況等証明者を入手することが出来なくなりこの場合に受診状況等証明書が添付できない申立書を提出することとなります。
※カルテの保存期間は5年と法定(医師法24条)されていますので5年を過ぎた場合は病院により廃棄されてします場合があります。
(関連記事:受診状況等証明書作成時の6つのポイント)
受診状況等証明書が添付できない申立書を提出する場合の注意点
ただ窓口で書類を受け取ってもらえるだけ
年金事務所の窓口で受診状況等証明書が添付できない申立書を提出すれば受診状況等証明書(初診日の証明書)を提出しなくても障害年金の請求ができると言われましたということを良く伺います。
ただこの場合、受診状況等証明書が添付できない申立書を提出することで書類を窓口で受け取ってもらえるというだけで障害年金が受給できるというわけではありません。
障害年金を受給するためには初診日が特定され証明されてなければなりません。
受診状況等証明書が添付できない申立書を提出するということは初診日を受診状況等証明書で客観的に証明できなかったということですので、この書類を提出しただけでは障害年金を受給することはできないのです。
プラスアルファで他の書類を提出しましょう
受診状況等証明書が添付できない申立書を提出しなければならないということは初診日をカルテに基づいて証明することができなかったということです。
このため、受診状況等証明書に代わる何らかの客観的な証拠を提出しなければ初診日が認められず、障害年金を受給することはできません。
このため受診状況等証明書が添付できない申立書とともに初診日を証明できる下記の様な書類(例)を提出することで初診日に受診したことを証明しなければいけません。
・身体障害者手帳
・身体障害者手帳作成時の診断書
・生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書
・交通事故証明書
・労災の事故証明書
・事業者の健康診断の記録
・健康保険の給付記録(レセプト等)
・お薬手帳、糖尿病手帳、領収書
・インフォームドコンセントにはよる医療情報サマリー
・診察券(診療科や診察日が分かるのも)
・小中学校時代の健診記録や成績表
・盲学校、ろう学校の在籍証明書、卒業証書
※初診日に関する第三書からの申立書(第三書証明)は3親等内の親族以外の方2名(例えば友人親の友人、同僚等)に発病や初診日の受診について作成してもらう証明書です。
原則として初診日が二十歳前の場合は当該証明書のみで初診日が特定される扱いです。
・日記や家計簿(弊所の取り扱い例で家計簿の片隅にあった病院の予約と受診の走り書きで初診日が認められたケースがあります)
他院の受診状況等証明書を添付する
例えば、 A 病院→ B 病院 →C 病院と受診した場合にA病院 とB 病院にはカルテが残っていなかった場合にはC 病院で受診状況等証明書を作成してもらい、A病院と B 病院に関してはご自身で受診状況等証明書を添付できない申立書を作成します。
この場合 A 病院と B 病院に関しては、客観的な証拠(診察券等)をできるだけ収集して添付するようにしましょう。
ここでC病院でA病院を受診した事実と年月日が記載される場合があります。
それは C 病院を受診した際に口頭やアンケートでA病院の受診の事実を担当の医師に伝えた場合に、それを担当医師がカルテに記載していたものを受診状況等証明書に記載される場合があるからです。
この場合 C 病院の受診が現在から5年以上前の場合には C 病院のこのようなA病院の受診についての記録はA病院の初診日の証明書として認められます(厚生労働省令)。
※5年以上経過している古い資料であるということはそれだけ信憑性が高いと判断されるためと思われます。
また5年よりも新しい受診であったとしてもその他の資料を添付することで初診日が認められる場合もあります(厚生労働省令)。
まとめ
受診状況等証明書が添付できない申立書を提出するということはカルテに基づく受診状況等証明書で初診日を証明できなかったということですので、他の何か客観的な書類を同時に提出することで初診日を証明しなければいけません。
他の客観的な証拠は特に限定されていませんが、審査をする側がその病院を初診で受診したとわかるようなものでなければいけません。
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