対象傷病

メニエール病による障害年金の請求についてのポイント

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メニエール病はめまいや難聴などの症状が出る病気で障害認定基準に該当する病状の場合は障害年金の対象となります。

メニエール病は厚生労働省の特定疾患に指定されています。

メニエール病による障害年金の請求時に気を付けていただきたいポイントを解説いたします。

目次

メニエール病とは

症状

メニエール病の主な症状は難聴、耳鳴りとめまい(回転性)です。また付随する症状として吐き気、冷や汗、動悸などがあります。

めまいの症状は10分から数10分、長い場合は数時間続くこともあります。

原因

メニエール病の原因は内リンパ水腫により蝸牛(聴覚を司る器官)が水膨れになることで難聴の症状が出ます。

また、三半規管や耳石器が水膨れとなることでめまいの症状が出ます。

診断

メニエール病は難聴、耳鳴り、耳が詰まる感じ(耳閉感)、めまいの症状が何度も繰り返される特徴があります。

このため難聴やめまいなどの症状が「繰り返された」場合にメニエール病と診断されます。

メニエール病による障害年金の請求

メニエール病によって障害年金を受給するためには、障害年金の受給資格を得る必要があります。

障害年金の受給資格を得るためには初診日を特定し、特定された初診日を基準に保険料の納付要件を満たし、病状が障害認定基準で定められた等級に該当する必要があります。

初診日の特定

初診日の重要性

障害年金の手続きにおいて、初診日を特定する作業は大変重要なものと言えます。

初診日を特定することで国民年金または厚生年金のどちらから障害年金が支給されるかが決定します。

初診日の時点で国民年金に加入していた場合には障害基礎年金、サラリーマンなどで働いていて厚生年金に加入していた場合には障害厚生年金が支給されます。

また、保険料の納付要件も特定された初診日を基準に行われます。

初診日の特定方法

メニエール病の初診日はメニエール病と診断された日ではなく、メニエール病の症状が出て初めて病院に受診した日となります。

このため、目まいや難聴を感じて最寄りの内科を受診した後に耳鼻科を受診しメニエール病と診断された場合は初めて内科を受診した日が初診日となります。

初診日の特定は一般的には受診状況等証明書(初診日の証明書)を初診日の病院に作成してもらうことで行います。

一方で、受診状況等証明書は病院のカルテを基に作成されますので、初診日から長期間経過しカルテが廃棄されてしまったり病院自体が廃院している場合には他の客観的な資料(診察券、健康保険の給付記録、レシート、日記)などによって初診日を証明しなければなりません。

保険料の納付要件

メニエール病によって障害年金を受給するためには保険料の納付要件を満たす必要があります。

保険料の納付要件は初診日を基準に初診日がある月の前々月までの被保険者期間の3分の2以上の国民年金の保険料を支払っている(免除受けている)か、65歳未満で直近の1年間保険料の未納がない場合に保険料の納付要件を満たします。

障害認定基準に該当する病状

メニエール病によって障害年金を受給するためには障害認定基準に該当する病状である必要があります。

障害認定基準

【平衡機能の障害】

2級・・・平衡機能に著しい障害を有するもの。平衡機能に著しい障害有するものとは四肢体幹に器質異常がない場合に閉眼で起立・立位保持が不能または開眼で直線を歩行中10m 以内に転倒或いは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない程度のものをいう。

3級・・・中等度の平衡機能の障害のために労働能力が明らかに半減しているもの。

中等度の平衡機能の障害とは閉眼で起立・立位保持が不安定で開眼で直線を10メートル歩いた時に多少転倒しそうになったりよろめいたりするがどうにか歩き通す程度のものをいう。

3級または障害手当金・・・眼前の自覚症状が強く、他覚所見として眼振その他平衡機能検査の結果に明らかな異常所見が認められ、かつ労働が制限を受けるかまたは労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。

国民年金令・厚生年金令別表

【聴覚の障害】

1級・・・両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの。

2級・・・両耳の聴力レベルか90デシベル以上のもの。

3級・・・両耳の聴力が40cm 以上では通常の話し声を解することができない程度に減じたもの。

障害手当金・・・一耳の聴力が耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの。

国民年金令・厚生年金令別表

診断書の重要性

診断書の作成依頼

メニエール病によって障害年金を受給するためには診断書が必要となります。

担当医師が作成する診断書は他の傷病による障害年金の請求と同じように手続きにおいて最も重要な書類といえます。

このことから、できるだけ現在の病状を反映した診断書を入手するために担当医師に現在の病状を明確に口頭で伝えるか、書面(メモ書き)などを作成し現在の病状が診断書の内容に反映されるようにする必要があります。

メニエール病の診断書の作成上の注意点

メニエール病の診断書は、「聴覚・平衡機能の障害用・様式第120号の2」の診断書用紙を用います。

診断書の記載事項のうち、メニエール病の場合には⑩欄「障害の状態(1)聴覚の障害」「障害の状態(3)平衡機能の障害」に病状を記載します。

平衡機能の障害に関しては、開眼での起立・立位保持が出来るか、開眼で直線の10mの歩行の状態により判断されます。

判断基準は1~3の3段階に分かれますのでどこに〇が付くかで障害年金の受給を大きく左右します。

また「自覚症状・他覚症状及び検査所見」の欄に関しましても記載欄が小さめですが症状や所見について必要事項を必ず記載してもらうようにします。

更に⑪欄「現症時の日常生活活動能力及び労働能力」の欄には日常生活や労働についてメニエール病の症状によっていかに支障が生じているのかといった点について記載してもらう必要があります。

また⑫欄「予後」についても今後の病気の改善の見込みについて必ず記載してもらう必要があります。

 

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