障害年金

障害年金と障害者手帳の違いについて

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障害年金と障害者手帳はどちらもご病気のために障害をお持ちの方の制度ですが、基本的には別の制度といえます。障害者手帳を取得した場合には、障害年金を受給できると考える方がいらっしゃるかもしれませんが、それぞれ別々に手続きをしなければなりません。

ここでは障害者手帳と障害年金の違いはご説明したいと思います。

目次

障害者手帳について

障害者手帳とは

障害者手帳は、各市区町村役場で手続きをすることによって各種サービスを受けることができる手帳のことをいいます。年金と違い、月々一定額の金銭を受給できるというよりも各種サービスに主眼の置かれた制度といえます。

認定基準は各都道府県によって若干異なる部分があります。一つの都道府県では、手帳を取得できた場合でも他の都道府県では取得できないといったことも起こり得ます。

また障害者手帳は、一定期間障害が永続すると認められる場合に交付されるものですので、一時的な傷病の場合には交付されない場合があります。また都道府県によっては障害の程度に変化が生じると認められる場合には再認定の対象となる場合があります。東京都の場合には1年から5年の期間を定め、再度診断書の提出を求められる場合があります。

障害者手帳の種類

障害者手帳には、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の3種類があります。身体障害者手帳は、眼や耳、肢体などに障害をお持ちの方のための手帳です。一方精神障害者保健福祉手帳は、精神の障害をお持ちの方のための手帳、また療育手帳は、知的障害をお持ちの方のための手帳です。

身体障害者手帳

身体障害者福祉法に基づき身体障害のある方の自立や支援を目的として交付されます。身体障害者手帳は、1級~7級までの等級にわかれ、その障害の程度や病状により等級が認定されます。1級~6級までは手帳が交付されます。また7級の場合は7級に該当する障害が二つ以上重複する場合は6級の手帳が交付されます。

精神障害者保健福祉手帳

精神保健福祉法に基づき、精神障害者のための社会復帰や自立を支援するために交付されます。精神障害者保健福祉手帳はその障害の程度によって、1級~3級にわかれています。

療育手帳

知的障害者福祉法に基づき、知的障害者(精神遅滞)のための相談や支援とともに、各種の援助措置を行うために都道府県知事が発行する手帳です。療育手帳の等級については、各自治体によって様々な区分がされていますが、

神奈川県の場合はA1(最重度) 、A2(重度)、 B1(中度) 、B2(軽度)の4段階にわかれています。

東京都の場合は、1度(最重度)、2度(重度)、3度(中途)、4度(軽度)の4段階にわかれています。

埼玉県の場合はⒶ(最重度)、A(重度)、B(中度)、C(軽度)の4段階にわかれています。

千葉県の場合はⒶ(最重度)、Aの1(重度)、Aの2(重度)、Bの1(中度)、Bの2(軽度)の5段階にわかれています。

大阪府の場合はA(重度)、B1(中度)、B2(軽度)の3段階にわかれています。

※療育手帳は東京都や横浜市では愛の手帳と呼ばれています。また、同じく埼玉県ではみどりの手帳、名古屋市や青森県では愛護手帳と呼ばれています。

障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳の申請方法

申請に必要な書類

  1. 交付申請書
  2. 身体障害者診断書・意見書(発行から1年以内、初診日から6ヶ月以降、申請日から3ヶ月以内などの制限がある場合があります)
  3. 写真(縦4cm×横3cm)
  4. 印鑑
  5. マイナンバーがわかるもの(個人番号カード、通知カードと運転免許証やパスポート)
  6. 身分証明書(運転免許証、健康保険証など)
  7. 代理人の場合は委任状
  8. 代理人の身分証明書(運転免許証など)

※障害者手帳に添付する診断書には医師の作成した診断書を添付する必要がありますが、この医師とは一定の資格を持った指定医のこと指します。担当医師が指定医でない場合には他の指定医を紹介してもらうか窓口で指定医の確認をする必要があります。

※療育手帳が取得できる年齢は満3歳の誕生日以降が一つの目安となるようです。また、身体障害者福祉法の適用範囲は18歳以上とされていますが、障害者雇用で就職を希望している場合には身体障害者手帳が交付されます。

15歳未満の場合は保護者が代理で申請します。

申請の手順

  1. 市区町村役場の障害福祉課(その他の担当部署)で交付申請書用紙をもらいましょう(交付申請書、診断書・意見書の用紙はほとんどの市区町村でホームページからダウンロードが可能です)。
  2. 指定医に診断書の作成を依頼しましょう。
  3. 診断書が完成したら交付申請書と一緒に窓口に提出しましょう。

※手帳が交付されるまでおよそ1ヶ月から4ヶ月の時間を要します。

療育手帳の申請方法

申請に必要な書類

  1. 母子手帳
  2. 写真
  3. 印鑑
  4. 精神障害者保健福祉手帳などの手帳
  5. 診療情報提供書、診断書
  6. お薬手帳
  7. 健康保険証

申請の手順

  1. 市区町村役場の障害福祉課の窓口で療育手帳の取得を希望する旨を伝え判定の予約を取りましょう。
  2. 18歳未満の場合は児童相談所、18歳以上の場合は知的障害者更生相談所で判定を行います。
  3. 児童相談所または知的障害者更生相談所で判定(面接・聞き取り調査)を受けます。
  4. 精神保健福祉センターでの審査が行われます。
  5. 手帳が交付されます。

障害者手帳で受けられるサービス

身体障害者手帳の場合には盲導犬の貸与を受けたり国税地方税の諸控除及び減免が受けられる場合があります。

また公共施設等の利用料の減免、各種交通機関の運賃割引、公営住宅の優先入居、携帯電話料金の割引、特別障害者手当(20歳以上の重度の身体障害者)の支給、USJの料金割引、東京ディズニーランドのゲストアシスタンスカードの発行等のサービスが受けられます。

精神障害者保健福祉手帳の場合には国税地方税の諸控除及び減免、公共施設利用料の減免、公営住宅の優先入居、携帯電話料金の割引、USJの料金割引、東京ディズニーランドのゲストアシスタンスカードの発行等のサービスが受けられます。

療育手帳の場合には、特別児童扶養手当の支給、国税地方税の諸控除及び減免、公共施設利用料の減免、各種交通機関の運賃割引、公営住宅の優先入居、携帯電話料金の割引、USJの料金割引、東京ディズニーランドのゲストアシスタンスカードの発行等のサービスを受けられます。

障害年金について

障害者手帳と障害年金の関係

障害者手帳と障害年金は、基本的に別の制度ですので、障害者手帳を持っている場合でも障害年金を受給できるとは限りません。

一方で精神障害者の方が障害年金を受給している場合には原則として診断書なしで精神障害者保健福祉手帳を取得することができます。

精神障害者保健福祉手帳の手続きをする際に障害年金の年金証書等を添付することによって診断書を省略することができます。

ただ一般的に診断書を添付した場合と比べて手続きの期間が長くなる傾向にあります。精神障害者保健福祉手帳の手続きを診断書を添付して行った場合には1ヶ月半から2ヶ月ほどの期間で手帳手にすることができますが、診断書に変えて年金証書を添付した場合、3ヶ月以上時間がかかる場合もあります。

障害者手帳と障害年金が同じ等級になるとは限りません

身体障害者手帳の場合、ペースメーカーや ICT (むくみ型除細動器)を増設している場合には1級、3級、4級のいずれかに認定されます。

一方で障害年金の場合には原則として障害厚生年金3級と認定されます。

また、人工股関節の場合身体障害者手帳は4級、5級、7級、非該当のどれかに該当し、また人工足関節の場合は5級、6級、7級、非該当のいずれかに該当します。

一方で障害年金の場合には人工関節をそう入・置換している場合には原則として障害厚生年金3級に認定されます。また、人工関節、人工骨頭を2ヶ所そう入・置換し日常生活に著しく支障が生じている場合には2級に該当する場合もあります。

また精神障害者保健福祉手帳の場合も手帳が3級ないし4級の場合でも、障害基礎年金2級を受給できる方も沢山いらっしゃいます。

これは、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳、療育手帳)と障害年金の審査基準が異なるからです。障害年金の場合には就労と日常生活にどれだけ支障が生じているかという点から年金支給の有無が判断されるため障害者手帳の観点からは大変重い障害でも障害年金の受給ができない場合もあります。

一方で、障害者手帳の等級が軽い場合でも日常生活に著しく支障は生じている場合には、障害年金を受給できる場合もあります。

障害年金について

障害年金の受給要件

障害年金は年金であるために一定の受給要件を満たさなければ、年金を受給することができません。障害年金を受給するためには初診日の特定保険料の納付要件障害認定日または現在での障害の程度の三つの要件を満たす必要があります。

初診日と特定とは当該子病気で初めて病院または歯科医師を受診したことカルテまたはカルテ以外の客観的な証拠に基づいて証明しなければなりません。

また初診日を基準として国民年金の加入期間の全体の3分の2の期間国民年金の保険料払っているか、或いは直近の1年間保険料の滞納がない場合に保険料の納付要件を満たすことになります。障害年金は、保険の一種ですので一定期間保険料(国民年金保険料)を払っていなければ、障害年金を受給することはできません。

そして、障害認定日(初診日から1年6ヶ月を経過した日)と現在の病状、あるいは現在の病状が障害等級に該当する程度の障害の状態である必要があります。

更に詳しく⇒障害年金の請求にあたっての7つのポイント

20歳前傷病による障害基礎年金

知的障害者(精神遅滞)の場合には一定の障害状態にある場合に20歳前傷病による障害基礎年金を受給することができます。

この年金の特徴は20歳前には国民年金の保険料の納付義務がありませんので年金保険料を支払っていない場合でも年金を受給できる可能性があるということです。

また、20歳前傷病による障害基礎年金の障害認定日は、20歳の誕生日の前日になります。このため、手続きを開始する場合には20歳の誕生日の前日前後3ヶ月計6ヶ月以内(誕生日が8月2日の場合には、5月1日から10月31日)の病状記載した診断書を提出することで年金の手続きを行うことができます。

また20歳前傷病による障害基礎年金の初診日は知的障害(精神遅滞)の場合には原則として生まれた日となりますので、初診日の証明(受診状況等証明書)は不要となります。

障害年金の年金額

障害基礎年金の年金額

【1級】779,300円×1.25+子の加算

【2級】779,300円+子の加算

第一子・第二子 各224,300円

第三子 各74,800円

子とは

・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子

・20歳未満で障害等級1級または2級の障害者

※障害厚生年金の場合は上記金額に厚生年金部分がプラスされます。一方で障害厚生年金3級の場合には、障害厚生年金のみの金額となります。

更に詳しく⇒障害基礎年金の年金額

更に詳しく⇒障害厚生年金の年金額

 

 

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