目次
埼玉県朝霞市の20代男性の統合失調症による障害基礎年金2級の受給事例
結果
障害基礎年金2級決定
年金額 780,100円
ご相談
現在、統合失調症と診断されており障害年金の手続きを代行を依頼したいとの事で、朝霞市よりご相談のお電話をいただきました。
現在の病状について伺ったところ、幻聴、幻覚、意欲低下などの症状があり、就労継続支援事業所で就労しているものの、支援員の支援が無ければ作業もほとんどはかどらないとのことでした。
初めて病院を受診した頃のことを伺ったところ、現在より10年ほど前に同級生から悪口でいじめを受けるようになりストレスから対人恐怖、幻聴などの症状が現れたため家族の勧めで病院を受診したとのことでした。
また、現在受診している病院の担当医師が障害年金の診断書をなかなか作成してくれないとのことでした。
このことから、さらに詳しくお話を伺うためご面談を実施することとしました。
ご面談
朝霞市のご自宅まで伺いご面談を実施することとしました。
発症から現在までの様子につい伺ったところ、10年ほど前に学校でいじめを受けるようになりそのストレスから幻聴、幻覚、対人恐怖などの症状が出るようになったため最寄りの病院を受診したとのことでした。
受診の結果統合失調症と診断され、その後受診を継続し投薬治療を行ったとのことでした。
その後も病状はあまり改善せず、また外出が難しくなり受診を中断したとのことでした。
その後他の病気にかかり入院したことをきっかけとして再び受診を再開したとのことでした。
その後、病状が悪化したため転院し入院したとのことでした。
退院後も受診を継続したものの病状はあまり改善せず被害関係妄想、幻聴、幻覚などの症状があり、就労継続支援所で就労行っているものの支援員の援助が不可欠であり、作業はほとんど行えない状態であるとのことでした。
また二十歳の誕生日前後の受診について伺ったところ、当時はちょうど受診を中断している期間にあたり受診は行っていないことが判りました。
さらに担当医師が障害年金の診断書の作成をなかなか行ってくれないとのことでしたので弊所から担当医師にご相談することとしました。
請求手続き
初めて受診した病院の受診状況等証明書に関してはご本人から病院に直接作成依頼を行っていただくこととなりました。
また現在受診している病院の担当医師の診断書の作成依頼に関して弊所から病院にご連絡を入れたところ、「ご本人が診断書用紙を持参すれば次回の受診時に診断書の作成を行う」とのことでした。
このことからご本人にその旨を伝え次回受診時に診断書用紙を持参していただくこととしました。
またその際にご面談時に伺った内容をもとに弊所にて依頼状を作成し診断書用紙に添付することとしました。
医師は忙しい診断の合間を縫って診断書を作成することから、記載の誤りや記載間の矛盾のある診断書を作成する場合があります。
また医師は患者と生活をともにしているわけではありませんので認識不足により現状よりも軽い病状の診断書を作成してしまう場合もあります。
このことから、事前に伺った内容をもとに依頼状を作成することで、現在の病状を反映した内容の診断書を入手することが可能となります。
また、病歴就労状況等申立書は提出書類の中で診断書とともに重要な書類といえます。
このことから、ご本人から伺った内容をもとに弊所にて発症時から現在までの様子を過不足なく記載し作成を完了しました。
その後、完成した受診状況等証明書、診断書、及び必要書類とともに提出することで手続きを完了し数ヶ月後に障害基礎年金2級の受給決定を受けることができました。
請求手続きのポイント
医師が診断書の作成を拒む場合
担当医師が作成する診断書は、障害年金の手続きにおいて最も重要な書類といえます。
一方で、診断書の作成を何らかの理由で拒む医師も少なからず存在します。
医師が診断書の作成を拒む理由は様々ですが病院を受診してから日が浅い場合や医師が障害年金について誤った認識を持っている場合、診断書の作成が割に合わない作業であると考えている場合などがあります。
医師は患者が診断書の作成を依頼した場合には作成を行う義務が法律上ありますが、どうしても作成の依頼に応じないような場合には専門の社会保険労務士をはじめとする第三者が担当医師と相談することによって、担当医師が診断書の作成を行ってくれる場合があります。
本件の場合にも弊所から直接担当医師に診断書の作成依頼を行ったところ何の問題もなく作成の依頼に応じてもらうことができました。
初診日が20歳前の場合
本件は初診日が20歳前にあることから、20歳前傷病による障害基礎年金として保険料の納付要件については一切問われませんでした。
国民年金保険料は20歳から納付義務が生じるため、20歳前に初診日がある場合には保険料の納付要件は問題となりません。
さかのぼりでの請求(遡及請求)の可否
また本件の場合には20歳前傷病による障害基礎年金の障害認定日である20歳の誕生日前後3ヶ月計6ヶ月の間に病院を受診していなかったためさかのぼりでの請求(遡及請求)を行うことができず事後重症請求を行うこととなりました。
さかのぼりでの請求(遡及請求)を行うことで一時期に高額の年金を受給できる場合があります。
一方で、遡及請求を行うためには障害認定日当時に受診しておりかつ当時のカルテが残っており、カルテに基づいて障害認定日当時の診断書を入手する必要があります。
このことから、障害認定日から長期間経過してしまった場合にはカルテが廃棄されてしまうなどの理由で当時の診断書が入手できずさかのぼりでの請求(遡及請求)を行えない場合があります。
※本件受給事例は個人情報保護法の趣旨に沿って文章の内容を作成しています。