目次
千葉市の40代男性の大腿骨頭壊死による障害厚生年金3級の受給事例
結果
障害厚生年金3級決定
年金額 984,800円
さかのぼり額 515万2,600円
ご相談
現在より13年ほど前に人工股関節の手術を受けているとの事で千葉市よりご相談の電話をいただきました。
現在の病状について伺ったところ、現在は、定期検診を受けているのみであるが、両股関節に人工股関節をそう入置換している為重労働ができず、階段の上り下りにも支障が生じているとのことでした。
初めて病院を受診した頃のことを伺ったところ、現在受診している病院とは別の病院を受診したとのことで病院が残っているものの、カルテが残っていないことが判っているとのことでした。
また、保険料の納付状況について伺ったところ、「厚生年金に継続して加入しており、保険料の未納はないと思う」とのことでした。
このことからさらに詳しくお話を伺うためご面談を実施することとしました。
ご面談
千葉市内のご自宅まで伺いご面談を実施することとなりました。
発症から現在までの様子について伺ったところ、現在から13年ほど前に股関節の痛みを感じ歩行にも支障が生じたため、千葉市内の病院を受診したとのことでした。
受診後、検査を行ったものの異常が見当たらなかったため、さらに精密検査を行うため転院したとのことでした。
転院後精密検査を行った結果、両大腿骨頭壊死と診断されたとのことでした。
その後、医師の勧めにより左右の股関節にそれぞれ人工股関節をそう入置換したとのことでした。
手術後、歩行時に杖を使用し階段の上り下りに支障が生じていたとのことでした。
現在は、杖は使用していないものの階段の上り下りや歩行時に多少の違和感があり、重労働は行えない状態とのことでした。
就労に関しては、手術後も継続して行っており、重労働は行えないもの特に不便は感じていないとのことでした。
ご面談に先立ち保険料の納付状況について弊所にて代理で確認したところ、ご本人のお話の通り保険料の未納はなく、保険料の納付要件を満たしていることが確認できました。
請求手続き
初診時の病院にカルテが残っていないことが判っていましたので二番目に受診し手術を行った病院に確認したところ、カルテが残っていることが判明したため、二番目の病院に手術時(障害認定日の特例)の診断書の作成及び受診状況等証明書(初診日の証明書)の両方の作成依頼を行いました。
完成した受診状況等証明書(初診日の証明書)を確認したところ、初診時の病院の病院名及び受診日が記載されておりこれにより初診日の特定を行うことができました。
このため、さらに現在定期検査を行っている病院に現在の病状を記載した診断書の作成依頼を行いました。
その後、完成した診断書及び弊所にてご本人のお話をもとに作成した病歴就労状況等申立書、その他必要書類を提出することで手続きを完了し、数ヶ月後に障害厚生年金3級のさかのぼりでの受給決定を受けることができました。
請求手続きのポイント
初診日の特定
障害年金の手続きにおいて、初診日を特定する作業は最も基本的でかつ重要な作業といえます。
本件の場合には、初診時に受診した病院にカルテが残ってなかったため、二番目に受診し手術を行った病院に残っていたカルテの記載により初診日の特定を行うことが可能となりました。
障害認定日の特例
また、障害認定日は原則として初診日から1年6ヶ月後の日ですが障害認定日には特例があり、人工骨頭または人工関節をそう入、置換した場合はそう入置換した日が障害認定日となります(手術日が初診日から1年6ヶ月経過した日以後の場合には原則通り初診日から1年6ヶ月後の日が障害認定日となります)。
本件の場合にも特例が適用され、手術の日にさかのぼって障害厚生年金3級の決定を受けることができました。
さかのぼりでの請求は5年間のみ
本件の場合には、障害認定日から10年以上経過していましたが、さかのぼりでの請求(遡及請求)によって受給できる年金は直近の5年分に限られます。
5年以上前の分の年金に関しては、時効消滅してしまうことから受給することができません。
人工関節をそう入置換した場合は原則3級
人工関節または人工骨頭をそう入、置換した場合は原則として3級に認定されます。
一方で、両股関節に人工股関節をそう入置換した場合で2ヶ所目の手術から1年以上経過し、立ち上がる、歩く、片足で立つ、階段を上る、階段を下りるなどの日常生活行動が実用性に乏しいほど制限されている場合には2級に該当する場合があります。
本件の場合には、階段の上り下り及び歩行について多少の違和感があったものの、実用性に乏しいほど制限されているとは言えなかったため、障害厚生年金3級の決定となりました。
診断書の枚数
さらに、障害認定日の特例に該当する場合で特例に該当する病状によってのみ障害年金を請求する場合には、現在の病状を記載した診断書に特例に該当する事実を記載することで診断書一通のみでの手続きを行うことができます。
一方、本件の場合は2級に該当する可能性があったことから、ご本人とご相談し障害認定日当時の診断書と現在の病状を記載した診断書2通提出することとしました。
※本件受給事例は個人情報保護法の趣旨則り文章の内容を作成しています。