白内障は加齢とともに眼の水晶体が白く濁ってしまうことで視力が低下してしまう疾病です。
白内障は病状により障害年金の対象となる疾病です。
目次
白内障とは
症状
視界全体のかすみ、まぶしさ、視力低下、複視などの症状があります。
40歳ごろから発症する場合があり高齢者の場合は多くの方が白内障の症状を持っていると言われています。
原因
水晶体のタンパク質が加齢とともに白く濁ることで発症します。
白内障による障害年金の受給のための3つのポイント
障害年金とは
障害年金とは一定の病状(障害)にある場合に国民年金または厚生年金から支給される年金のことをいいます。
年金というと一般的には老齢年金を思い浮かべる方が多いと思いますが年金には、老齢年金のほかに遺族年金、障害年金の種類があります。
受給資格
障害年金を受給するためには、障害年金の受給要件を満たす必要があります(受給資格)。
障害年金の受給要件を満たすためには初診日を特定し、特定された初診日を基準に保険料の納付要件を満たし、病状が障害認定基準によって定められた等級に該当する必要があります。
初診日の特定
初診日とは当該病気によって初めて医師の診断を受けた日をいます。
白内障の場合には、白内障と診断された日ではなく、症状が出て初めて医師の診断を受けた日が初診日となります。
初診日の特定は一般的には受診状況等証明書(初診日の証明書)をカルテに基づいて初診日の病院に作成してもらうことで行います。
一方で、初診日から長期間経過している場合にはカルテが廃棄されていたり病院自体が廃院しており受診状況等証明書の作成ができなくなる場合があります。
この場合、2番目、3番目またはそれ以降の病院のカルテの初診時の経緯の記載がある場合には、それらを受診状況等証明書に記載してもらうことで初診日の特定を行うことができます。
また2番目、3番目またはそれ以降の病院にもカルテが残っていない場合にはカルテ以外の客観的資料によって初診日を特定しなければなりません(初診日に関する第三者からの申立書、診察券、健康保険の給付記録等)。
保険料の納付要件
保険料の納付要件を満たすためには特定された初診日のある月の前々月までの被保険者期間の3分の2以上の国民年金の保険料を支払っている(免除を受けている)か、初診日がある月の前々月までの直近の1年間に保険料の未納がない場合には保険料の納付要件を満たすこととなります。
障害認定基準の等級に該当する病状
白内障により障害年金を受給するためには病状(障害)が障害認定基準によって定められた等級に該当する必要があります。
【障害認定基準】
視力障害
視力の測定は万国式試視力表またはそれと同一の原理によって作成された試視力表により標準照度は200ルクスで、また測定する視力は矯正視力によりますので矯正眼鏡またはコンタクトレンズを使用した状態で検査を行うこととなります。
1級・・・両眼の視力の和が0.04以下のもの
2級・・・両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
眼の機能の障害が日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを 必要とする程度のもの
3級・・・両眼の視力が0.1以下に減じたもの
障害手当金・・・両眼の視力が0.6以下に減じたもの。または一眼が0.1以下に減じたもの
視野障害
視野はゴールドマン視野計及び自動視野計またはこれに準ずるものを用いて測定します。
ゴールドマン視野計を用いる場合は中心視野の測定にはⅠ/2の視標を用い、周辺視野の測定にはⅠ/4の視標を用います。
それ以外の測定方法による時はこれに相当する視標を用います。
(ア)両目の視野が5度以内(Ⅰ/2指標)のものは2級と認定されます。
(イ)①両目の視野が10度以内(Ⅰ/2指標)かつ②中心10度以内の8方向の残存視野のそれぞれの角度の合計が56度(Ⅰ/4指標)のものも2級に認定されます。
(ウ)両眼による視野が2分の1以上欠損したものまたは両眼の視野が10度以内ものは障害手当金の対象となります。
「両眼の視野が10度以内または両眼の視野が5度以内」とはそれぞれの眼の視野が10度以内または5度以内のものをいい求心性視野狭窄の意味です。
また、輪状暗点があるものは中心の残存視野がそれぞれ10度以内またはそれぞれ5度以内のものを含みます。
「両眼による視野が2分の1以上欠損したもの」とは両眼で一点を注視しつつ測定した視野の生理的限界の面積が2分の1以上欠損してる場合の意味です。
国民年金・厚生年金令別表および認定要領より
※視力の矯正ができない病状の場合には診断書に「矯正不能」と書いてもらうことが重要です。