対象傷病

気管支拡張症による障害年金の受給のためのポイント

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気管支拡張症は気管支が不可逆的に拡張してしまう疾病でその病状により障害年金を受給することが出来る疾病です。

目次

気管支拡張症とは

特徴

気管支拡張症は気管支が不可逆的に拡張する疾患で袋状や円柱状に拡張する特徴があります。

拡張する部位も肺全体が拡張する場合と肺の一部が拡張する場合があります。

慢性副鼻腔炎、肺炎、膿胸、肺膿瘍などの疾病を併発する場合があります。

症状

痰、咳、肺炎、血痰、喀血などを挙げることが出来ます。

気管支が拡張することで気管支が破壊されそのことによって細菌やカビが増殖しそのことが原因で肺炎を起こす場合があります。

また気管支の拡張に伴い気管支が炎症を起こしそのことが喀血の原因となりまた血管が増える原因ともなります。

原因

先天的な要因(原発性線毛機能不全)、幼少期に罹った肺炎が原因となる場合、感染症が原因となる場合、免疫異常が原因となる場合などを挙げることができます。

気管支拡張症による障害年金の受給

初診日の特定

初診日の特定方法

気管支拡張症により障害年金を受給するためには初診日を特定する必要があります。

初診日とは気管支拡張症の症状が出て初めて医師の診断を受けた日をいいます。

初診日の特定は一般的には受診状況等証明書(初診日の証明書)を初診時の病院に作成してもらうことで行います。

一方で初診時の病院と現在受診している病院が同じ場合や初診日の病院と障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日)の病院が同じ場合には、障害年金用の診断書を作成してもらうことで初診日の特定を行うことが可能となり、受診状況等証明書は不要となります。

障害厚生年金と障害基礎年金の違い

特定された初診日を基準に初診日の段階でサラリーマンなどで厚生年金に加入していた場合には、障害厚生年金から障害年金が支給されます。

また、初診日の時点で国民年金に加入していた場合(サラリーマンの配偶者、学生等)には障害基礎年金から障害年金が支給されます。

障害厚生年金には1級~3級と3段階がありますので、ある程度病状が軽い障害の場合にも障害年金を受給できる可能性があります。

一方で、障害基礎年金には1級と2級しかありませんので、2級以上の病状に該当しない場合には障害年金が受給できない場合もあります。

保険料の納付要件を満たす

特定された初診日を基準に初診日のある月の前々月までの被保険者期間の3分の2以上の国民年金保険料を支払っているかまたは直近の1年間に国民年金保険料の未納がない場合に保険料の納付要件を満たすこととなります。

保険料の納付要件を満たさない場合には、当該疾病によって障害年金を受給することはできません。

障害認定基準の等級に該当する病状

障害年金を受給するためには気管支拡張症の病状が障害認定基準によって定められた等級に該当する必要があります。

【障害認定基準】

下記の臨床症状、検査成績、及び具体的な日常生活状況等により1級~3級に認定されます。

A表

   区分  検査項目    単位   軽度異常  中等度異常  高度異常
    1 動脈血O2分圧   Torr   70~61   60~56   55以下
    2 動脈血CO2分圧   Torr   46~50   51~59   60以上

B表

  検査項目    単位   軽度異常   中等度異常   高度異常
 予測肺活量1秒率     %    40~31    30~21    20以下

国民年金・厚生年金法別表(障害認定要領)より

【一般状態区分表】

(ア)・・・無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく発病前と同等に振る舞えるもの

(イ)・・・軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの。例えば軽い家事、事務など

(ウ)・・・歩行や身の回りのことはできるが、ときに少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの

(エ)・・・身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外での外出等がほぼ不可能となったもの

(オ)・・・身の回りのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ活動の範囲が概ねベッド周辺に限られるもの

【上記A表・B表・一般状態区分表を踏まえた認定基準】

1級・・・前記(4)のA表及びB表の検査成績が高度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表の(オ)に該当するもの。

2級・・・前記(4)のA表及びB表の検査成績が中度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表の(エ)又は(ウ)に該当するもの。

3級・・・前記(4)のA表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表の(ウ)又は(イ)に該当するもの。

※常時(24時間)の在宅酸素療法を行っていてかつ軽い労働以外の労働に常に支障がある程度のものは3級(障害厚生年金3級)に認定されます。 国民年金・厚生年金別表(障害認定基準)より

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