対象傷病

気管支喘息による障害年金の受給のためのポイント

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気管支喘息は気道に慢性の炎症が起こることで呼吸困難、咳、喘鳴などの症状が出る疾病です。

気管支喘息は病状により障害年金の対象となる傷病です。

目次

気管支喘息とは

症状

気管支喘息の症状は呼吸困難、喘鳴、咳が主な症状です。夜中から明け方に発作が起こりやすいと言われています。

原因

気管支喘息の原因にはアレルギー、自律神経の乱れ、精神身体が要因と考える説などがありますがまだはっきりとは判っていません。気道が炎症を起こすことで症状が出ることが判っています。

気管支喘息による障害年金の受給

気管支喘息によって障害年金を受給するためには初診日を特定し、特定された初診日を基準に保険料の納付要件を満たし、病状が障害認定基準によって定められた等級に該当する必要があります(受給資格)。

初診日の特定

初診日とは

初診日とは気管支喘息によって初めて医師の診断を受けた日をいます。

気管支喘息と診断を受けた日ではなく、気管支喘息の症状が出て初めて医師の診断を受けた日が初診日となります。

初診日の重要性

障害年金の手続きにおいて初診日は大変重要な意義を持ちます。

初診日に加入していた年金により国民年金に加入していた場合には障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合には障害厚生年金が支給されます。

障害基礎年金には、1級と2級しかありませんので2級以上の病状に該当しない場合には、障害年金が受給できない場合があります。

一方で、障害厚生年金には、1級2級のほかに障害厚生年金3級障害手当金の4段階がありますのである程度は軽い障害の場合にも障害年金を受給できる可能性があります。

または保険料の納付要件も特定された初診日を基準に判断されます。

初診日の特定方法

障害年金を受給するためには初診日を特定する必要があります。

初診日を特定するためには一般的には初めて受診した病院のカルテに基づいて受診状況等証明書(初診日の証明書)を初診時の病院に作成してもらうことで行います。

一方で初診時から長期間経過してしまいカルテが残っていない場合には、2番目ないし3番目またはそれ以降に受診した病院のカルテに初診時の経緯(初診時の病院名や日付)が記載されている場合には、それらの事項を受診状況等証明書に記載してもらうことで初診日を特定することが可能となります。

保険料の納付要件

特定された初診日を基準に初診日のある月の前々月までの被保険者期間の3分の2以上の国民年金の保険料を支払っている(免除を受けている)か、65歳未満の場合で初診日がある月の前々月までの直近の1年間に国民年金保険料の未納がない場合に保険料の納付要件を満たしているといえます。

障害認定基準の等級に該当する病状

気管支喘息により障害年金を受給するためには病状が障害認定基準によって定められた等級に該当している必要があります。

障害認定基準

A表

   区分  検査項目    単位   軽度異常  中等度異常  高度異常
    1 動脈血O2分圧   Torr   70~61   60~56   55以下
    2 動脈血CO2分圧   Torr   46~50   51~59   60以上

B表

  検査項目    単位   軽度異常   中等度異常   高度異常
 予測肺活量1秒率     %    40~31    30~21    20以下

【一般状態区分表】

(ア)・・・無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく発病前と同等に振る舞えるもの

(イ)・・・軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの。例えば軽い家事、事務など

(ウ)・・・歩行や身の回りのことはできるが、ときに少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの

(エ)・・・身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外での外出等がほぼ不可能となったもの

(オ)・・・身の回りのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ活動の範囲が概ねベッド周辺に限られるもの

【上記A表・B表・一般状態区分表を踏まえた認定基準】

1級・・・前記(4)のA表及びB表の検査成績が高度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表の(オ)に該当するもの。

2級・・・前記(4)のA表及びB表の検査成績が中度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表の(エ)又は(ウ)に該当するもの。

3級・・・前記(4)のA表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表の(ウ)又は(イ)に該当するもの。

【慢性気管支喘息の認定基準】

1級・・・最大限の薬物療法を行っても発作強度が大発作となり、無症状の期間がなく一般状態区分表の (オ)に該当する場合であって予測肺活量1秒率が高度異常(測定不能を含む)、動脈血ガス分析値が高度異常で常に在宅酸素療法を必要とするもの。

2級・・・呼吸困難を常に認める。常時とは限らないが、酸素療法を必要としい一般状態区分表の A または海に回答する場合であってプレドニゾロンに換算して1日10mg相当以上連用、又は5mg以上の連用と吸入ステロイド高用量の連用を必要とするもの。

3級・・・喘鳴や呼吸困難を週1回以上認める。非継続的なステロイド薬の使用を必要とする場合があり、一般状態区分表の(ウ)また(イ)に該当する場合であって、吸入ステロイド中用量以上及び長期管理薬を追加薬として2剤以上の連用を必要とし、かつ短時間作用性吸入β2刺激薬頓用を少なくとも週に1回以上必要とするもの

※慢性気管支炎喘息については、症状が安定している時期においての症状の程度、使用する薬剤、酸素療法の有無、検査所見、具体的な日常生活状況を把握して総合的に認定します。

 

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