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精神遅滞(軽度)でも障害年金は受給できますか?

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軽度の精神遅滞とはIQが50~70程度の精神遅滞のことを一般的には言います。

軽度の精神遅滞の場合でも障害年金の対象となる場合があります。

目次

軽度精神遅滞の場合の障害年金の受給可能性

軽度精神遅滞とは

精神遅滞は大きく分けてIQ50~70の軽度、50~35の中度、35~20の重度に分けられます。

中度または重度の精神遅滞が障害年金の対象となることはもとより、軽度の精神遅滞の場合にも障害年金の対象となる場合があります。

これは、 IQ 自体は障害年金の審査において一つの基準となりますが、 IQ のみによって障害年金の受給の可否が審査されるわけではないからです。

精神遅滞の障害年金の審査

障害認定基準

障害年金を受給するためには病状が国民年金法・厚生年金法別表によって定められた障害認定基準に該当する必要があります。

障害年金の等級には1級~3級と障害手当金の4段階がありますが、精神遅滞の場合には障害基礎年金から年金が支給されるため1級と2級に該当する場合のみ年金が支給され、3級以下に該当する場合には、障害年金の対象とはなりません。

【障害認定基準】

1級・・・精神遅滞があり、食事や身の回りのことを行うのに全面的な援助が必要であってかつ会話による意思疎通が不可能か著しく困難であるため日常生活が困難で常時援助を必要とするもの。

2級・・・精神遅滞があり、食事や身の回りのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であってかつ会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため日常生活に当たって援助が必要なもの。

精神遅滞と日常生活

障害年金を受給するためには精神遅滞によって日常生活に支障が生じている必要があります。

軽度精神遅滞の場合でも日常生活に支障が生じ、家族の介助が必要となる場合があり、このような場合には障害年金の対象となります。

審査の対象となる日常生活とは

①【適切な食事】・・・配膳などの準備も含めて適量をバランスよく摂ることができるかどうか。

②【身辺の清潔保持】・・・洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができるかどうか。また自室の清掃や片付けなどができるかどうか。

③【金銭管理と買い物】・・・金銭を独力で適切に管理しやりくりがほぼできるかどうか。また一人で買い物が可能かどうか。計画的な買い物ができるかどうか。

④【通院と服薬】・・・規則的に通院や服薬を行い、病状等を主人に伝えることができるかどうか。

⑤【他人との意思伝達及び対人関係】・・・他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動を行えるかどうか。

⑥【身辺の安全保持及び危機対応】・・・事故等の危険から身を守る能力があるかどうか。通常と異なる事態となった時に他人に援助を求める等を含めて適正に対応することができるかどうか。

⑦【社会性】・・・銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能かどうか。また社会生活に必要な手続きを行えるかどうか。

上記①~⑦の日常生活の行動が一人暮らしを行った場合にどの程度できるかどうかで精神遅滞で障害年金が受給できるかどうかが決まります。

精神遅滞と就労

就労を行っている場合には、障害年金を受給することができないと思われる方が少なくありません。

軽度精神遅滞の場合、障害者枠などで就労している場合が多いと思われますが、就労行っている場合にも障害年金を受給することが可能です。

障害者枠で就労を行っている場合は就労に支障が生じる程度が重いと判断される場合が多いと思われますが障害者枠でない場合でも就労状況等により障害年金の受給対象となります。

精神遅滞の場合には、一般企業で就労している場合にも行っている業務が単純作業であったり、また上司や同僚の援助のもとに就労している場合などには障害年金を受給することが可能となります。

精神遅滞の手続き上の注意点

初診日は出生日(誕生日)

障害年金の手続きを行う場合初診日(初めて医師の診断を受けた日)を特定する必要がありますが、精神遅滞の場合には、生来的な疾病のため初診日は出生日(誕生日)となります。

このため、初診日の特定を行う必要がないことから、他の疾病と比べてこの点に関しスムーズに手続きが進むといえます。

障害認定日

障害認定日とは障害の程度を決定する日であり原則として初診日から1年6ヶ月を経過した日が障害認定日とされます。

一方で、精神遅滞の場合には20歳となった日が障害認定日となります。

また提出する診断書は、20歳の誕生日前後3ヶ月、計6ヶ月間の内の病状を記載した診断書を提出することとなります。

最も重要な担当医が作成する診断書

軽度精神遅滞により障害年金の手続きを行う場合、他の傷病と同じように担当医師が作成する診断書は、最も重要な書類といえます。

軽度精神遅滞による障害年金の手続きにおいては、日常生活に支障が生じている場合に障害年金の対象となりますので、診断書の作成においても日常生活のどの部分に支障が生じているのかといった点を明確に担当医師に伝え診断書に反映してもらうことが重要です。

病歴就労状況等申立書作成上の注意点

出生日から記載

請求手続きに必要な書類のうち、診断書の次に重要な書類としてご自身で(または代理人が)作成する病歴就労状況等申立書があります。

精神遅滞(軽度)により病歴就労状況等申立書の作成を行う場合、出生から現在までの様子を記載する必要があります。

他の疾病の場合には発症日から現在までの様子を記載することが一般的ですが、精神遅滞の場合には初診日が出生日(誕生日)となるため生まれた時から現在までの様子を記載しなければなりません。

養護学校、特別支援学級と普通学級

精神遅滞の場合には義務教育において養護学校に通う場合はもとより、特別支援学級に入って勉強している場合や普通学級に入り勉強している場合など学習する環境は様々です。

普通学級に入り学習している場合にも学校や担任の先生の配慮により学習していたり、特別に個人授業を受けている場合などがありますので普通学級に入っているからといって、直ちに障害年金の手続きにおいてマイナスに働くことはありません。

病歴就労状況等申立書を作成する際には、通学の様子や授業に対する対応力、成績、交友関係などを含めてどのような環境で教育を受けたのかについて記載することが重要です。

 

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