受給事例

栃木県小山市の30代男性の障害年金の受給事例

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目次

栃木県小山市の男性の自閉症による障害基礎年金の受給事例

結果

障害基礎年金2級決定

年金額 780,100円

ご相談

4歳ぐらいの頃に自閉症と診断され、その後受診はしていないとのことでご相談のお電話をお父様からいただきました。

お父様の話によると、将来のことが心配なのでできれば障害基礎年金2級を受給したいとのことでした。

今までの経緯について簡単にお話を伺ったところ、生後間もないころから4歳ぐらいまでの間に受診を行っていたものの、その後は受診は行っていないとのことでした。

現在は B型就労継続支援施設に通所しているものの、日常生活にも支障が生じている状態とのことでした。

このため、栃木県小山市のご自宅まで伺ってご面談を実施することとしました。

ご面談

ご面談で伺った幼児期の様子

出生時は正常分娩で生まれたものの、生後親と目を合わせず、言葉も発しなかったため心配になり栃木県小山市内の病院を受診したとのことでした。

受診はしたもの CT を撮ることができず診察も行うことがほとんどできませんでした。

その後、心配になり別の病院を受診したもののここでも CT が撮れず正式な診断を受けることができませんでした。

その後3歳ぐらいになっても親と目を合わせることができず、また言葉は出るものの会話にならない状態が続き、時折パニックを起こすようになったため、栃木県県内の三番目の病院を受診したとのことでした。

自閉症と診断

受診の結果、自閉症と診断され月1回遊戯療法を受けたものの、その他の特別な治療はなされませんでした。

病院からは障害者学級よりも健常児の通う保育園に入れるようにアドバイスを受けました。

このため病院のアドバイスに従い健常児の通う保育園に入れたものの、周りの園児と関わることは一切なく、時折行方不明になったり自分の世界を邪魔されるとパニックになり、専任の教員がついている状態だったとのことでした。

小学校入学後の様子

その小学校に入学するものの、対人関係が築けずいじめにあったり異常行動をするようになり、またおかしな行動をやめさせようとするとパニックになったりしました。

その後四番目の病院を受診したものの様子を見るしかないと言われ、また病院のアドバイスに従い健常児が通う学校と障害者学校の両方に在籍することとなりました。

高校入学以降の様子

その後は病院を受診することもなく栃木県内の高校までは進学したものの、高校内でトラブルが続き、3年生のときに退学を勧告されましたか。

退学後、就職を希望しましたが適当な働き口がなく、現在は週3回B型就労継続支援施設に通所しているものの、家では親の介助のもとに過ごしており、しゃべる機会は全くなく、言葉に窮した場合や自分の世界を邪魔されるとパニックになり自傷行為を行うこともあるとのことでした。

また、障害年金の受給を視野に入れ3ヶ月ほど前からクリニックを受診しているとのことでした。

自閉症の初診日

自閉症は生来的な病気のため、知的障害と同じように出生日が初診日になるように思われますが、知的障害とは扱いが異なり一般的なご病気と同じように初めて病院を受診した日が初診日となります。

このため、初めて受診した病院の証明書(受診状況等証明書)が必要になる旨を説明したところ、現在も病院自体はあるものの、カルテが残っていないことをお父様が確認済みでした。

このため、二番目以降に受診した病院について弊所にて確認することとしました。

また、現在の病状を記載した診断書に関しては、担当医師にすでに依頼済みとのことでしたので弊所で作成した依頼状を診断書用紙に添付し、ご家族から担当医師に手渡すこととなりました。

お父様は息子さんの将来について大変ご心配されており、障害基礎年金2級をどうしても受給したいとのことでした。

請求手続き

4番目の病院にカルテが残っていた

最初に受診した病院から三番目に受診して病院まではカルテがすでに廃棄されており、他の資料も全く残っていませんでしたが、四番目に受診した病院は大きい病院であったこともあり、当時のカルテが残っており、受診の年(月日はなし)と病院名がカルテに記載されていました。

このことから、四番目に受診した病院に受診状況等証明書の作成を依頼し特に初診時からの経緯を詳細に記載してもらうこととしました。

診断書の確認及び病歴就労状況等申立書の作成

また現在の病状を記載した診断書に関しては完成後内容を確認したところ、弊所で作成した依頼状の内容及び現在の病状を反映している内容となっていました。

その後、弊所でご面談時に伺った内容をもとに病歴就労状況等申立書を作成しました。

病歴就労状況等申立書の内容に関しては、出生時から現在まで30年以上経過していたため、かなりの分量となりました。

自閉症や発達障害などの場合には初診日は初めて病院を受診した日となりますが、受診状況等証明書に関しては、出生から現在まで記載する必要があります。

その後、他の必要書類とともに提出することで手続きを完了し、お父様の希望通り障害基礎年金2級の受給決定を受けることが出来ました。

手続きのポイント

初診日の証明

自閉症や発達障害などの精神の病気の場合には知的障害と同様に生来的な病気ではあるものの、初診日は知的障害とは扱いが異なり、一般原則通り初めて病院を受診した日が初診日となります。

このため本件でも初めて受診した病院の初診日の証明が必要となりました。

初診日に受診した病院及び二番目、三番目に受診した病院に関しては30年以上経過していたため、カルテその他の資料が残っていませんでしたが、四番目に受診した病院にはカルテが残っていたため、初診日の証明を行うことが可能となりました。

原則として初診日の証明は初診日の病院に受診状況等証明書を作成してもらうことで行います。

一方で、初診日に受診した病院にカルテ等の資料が残っていない場合には二番目以降に受診した病院のカルテに初診日の病院についての記載がある場合はその記載をもって初診日の病院の受診状況等証明書の代わりとすることができます。

自閉症の特徴と診断書

精神の病気による障害年金の受給は就労や日常生活に著しい支障が生じている場合に可能となります。

このため、自閉症発達障害による障害年金を請求する場合の診断書にも就労や日常生活にどのような支障が生じているのかという点について記載してもらう必要があります。

自閉症や発達障害の場合には時として知能指数が高く、日常生活の身の回りのことが一人で行える場合もあります。

本件の場合には食事、着替え、入浴、通院などの日常生活全般について支障が生じ、ご両親の援助が必要であったため、それら一つ一つについて診断書に反映してもらうこととしました。

この場合にもできるだけ日常生活に支障が生じている部分を担当医師に伝えるとともに社会性の欠如などの自閉症や発達障害特有の症状について診断書に反映してもらう必要があります。

精神の病気の場合には就労や日常生活に全く支障が生じていない場合には障害年金を受給することはできません。

一方で自閉症や発達障害の場合も就労や日常生活に何らかの支障が生じている場合にはその部分を主張することで障害年金を受給することができます。

※本件受給事例は個人情報保護法の趣旨に則り文章の内容を作成しています。

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