対象傷病

ダウン症で障害年金の請求を行う際に知っておきたい7つのこと

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ダウン症はその病状により障害年金を受給できる疾病です。

ダウン症のお子様をお持ちのご父兄はお子様の将来に大変大きな不安と心配をお持ちになっています。

障害年金は病状が変わらない限り一生受給し続けることが出来る年金です。障害年金のお手続きをいち早く行うことでお子様の将来に向けての経済的な不安を軽減することが可能となります。

ここではダウン症による障害年金の請求に当たり知っておきたい7つの事項をとりあげています。

目次

ダウン症で障害年金のお手続きを行う際に知っておきたいこと

初診日について

初診日の特定

障害年金の手続きを行うに当たり、まず始めに初診日を特定する必要があります。原則として初診日とは「当該ご病気によって初めて医師の診断を受けた日」をいいます。

初診日を特定することで、どの年金から障害年金が支給されるかが決定されます。

初診日の段階で国民年金に加入していた場合には国民年金から障害基礎年金が支給され、厚生年金に加入していた場合には厚生年金から障害厚生年金が支給されます。

ダウン症の初診日

一方でダウン症の場合には先天的な疾病ということで初診日は誕生日(生まれた日)となります。

他の疾病では初診日を特定する必要がありますが、ダウン症の場合には初診日を特定する必要がありません。

このことから診断書の初診日の欄(診断書③欄)にも初めて医師の診断を受けた日ではなく、誕生日の日付を記載する必要があります。

医師によっては初診日が誕生日となるのはおかしいのではないかと疑問持つ方もいらっしゃいますので注意が必要です。

ダウン症は保険料の納付要件は不要です

保険料の納付要件の原則

障害年金を受給するためには初診日を基準に初診日の前々月までの被保険者期間に一定期間国民年金保険料を支払っている必要があります。

このため保険料の納付要件を満たさない場合には、障害年金を受給することができません。

ダウン症の場合納付要件は不要

ダウン症の場合には先天的な疾病として初診日が誕生日(生まれた日)となりまた、障害の状態を確認する障害認定日が20歳の誕生日の前日と決められていますので、保険料の納付要件を満たす必要はありません。

国民年金保険料は20歳の誕生日の含まれる月以降に支払い義務が生じます。

このことからダウン症の障害認定日である20歳の誕生日以前には、国民年金保険料の納付義務がないことから保険料の納付要件は免除されているといえます。

ダウン症の障害認定日は二十歳の誕生日の前日

ダウン症をはじめとする先天的な疾病の障害認定日は、20歳の誕生日の前日となります。

障害認定日とは障害を認定する重要な日で、この日以降に障害年金の手続きを開始することができます。

障害年金は20歳になるまでは受給することができませんので20歳の誕生日が近づいて来ましたら障害年金の手続きを開始することをお勧めします。

障害認定基準の等級に該当する病状であること

障害認定基準

1級・・・日常生活に著しい支障が生じ身の回りもこともご自身で行うことが出来ず常に介助が必要な場合。

2級・・・日常生活に著しい支障が生じ身の回りのことも多くに介助が必要な場合。

※障害年金には、1級~3級の等級がありますが、3級は障害基礎年金には認められておらず、障害厚生年金にのみ認められています。

ダウン症の場合には初診日が誕生日(生まれた日)と決められていますのでダウン症で受給できる障害年金は障害基礎年金となります。

障害基礎年金には1級と2級しかありませんので、2級以上の病状に該当しない場合には障害年金が受給できません。

障害認定基準の等級に該当するかどうかの目安

ダウン症の病状が障害認定基準に該当するかどうかは日常生活の身の回りのことが1人でできるかどうかという観点から判断されます。

①適切な食事・・・配膳などの準備も含めて適当な量をバランスよく摂ることができるかどうか。

②身辺の清潔保持・・・洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができるかどうか。また、自室の清掃や片付けなどができるかどうか。

③金銭管理と買い物・・・金銭を独力で適切に管理しやりくりがほぼできるかどうか。また、一人で買い物が可能であり、計画的な買い物ができるかどうか。

④通院と服薬・・・規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるかどうか。
※通院が不要と判断されている場合は通院不要の判断となります。

⑤他人との意思伝達及び対人関係・・・他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるかどうか。

⑥身辺の安全保持及び危機対応・・・事故等の危険から身を守る能力があるかどうか。通常と異なる事態となった時に他人に援助を求めるなどを含めて適正に対応することができるかどうか。

⑦社会性・・・銀行での金銭の出し入れ(ATMの使用)や公共施設等の利用が一人で可能かどうか。また社会生活に必要な手続きを行えるかどうか

また日常生活全体を見渡し日常生活が一人で行えるかどうかを下記の5段階で判断した場合どの段階に該当するかどうかで障害年金の受給の可否及び該当する等級が判断されます。

(1)知的障害(ダウン症)を認めるが社会生活が普通にできる。

(2)知的障害(ダウン症)を認め家庭内での生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である。
※例えば簡単な漢字は読み書きができ、会話も意思の疎通が可能であるが抽象的なことは難しい。身辺生活も一人でできる程度を

(3)知的障害(ダウン症)を認め家庭内での単純な日常生活はできるが、ときに応じて援助が必要である。
※例えば、ごく簡単な読み書きや計算はでき援助などがあれば作業は可能である。具体的指示であれば理解ができ身辺生活についても概ね一人でできる程度

(4)知的障害(ダウン症)を認め日常生活における身の回りのことも多くの援助が必要である。
※例えば簡単な文字や数字は理解でき保護的環境であれば単純作業は可能である。習慣化していることをであれば言葉での指示を理解し身辺生活についても部分的にできる程度

(5)知的障害(ダウン症を認め身の回りのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。
※例えば文字や数の理解力がほとんどなく、簡単な手伝いもできない。言葉による意思の疎通がほとんど不可能であり、身辺生活の処理も一人ではできない程度

担当医による診断書の作成

障害年金の手続きを行うには、担当医師による診断書が不可欠であり、また担当医師による診断書は、必要書類の中で最も重要な書類といえます。

どんなにご家族が日常生活の不自由なことを訴えたとしても診断書の内容がそれらの実態を反映していない場合には、障害年金を受給できなくなったり、また等級が低くなったりしてしまいます。

このことから、診断書の作成を担当医師に依頼する際には、日常生活や就労のどのような部分に支障が生じているのかといった点をメモ書きにするなどして担当医師に渡し、実情を医師に理解してもらう必要があります。

※長時間かけて問診を行い診断書の作成を行う医師もいます。この場合にも事前にメモ書きを作成することで重要な事項を担当医師に伝え忘れてしまうことを防ぐことができます。

病歴・就労状況等申立書の作成

病歴就労状況等申立書は診断書と並んで障害年金の手続きにおいて、最も重要な書類の一つです。

病歴就労状況等申立書は通常発病から現在までの病歴と就労状況について記載しますが、ダウン症などの先天性の疾患の場合には、生まれた時から現在までの様子について記載する必要があります。

また病歴就労状況等申立書は3年から5年に区分して記載します。また病院を受診している場合には受診している期間、受診していない期間は受診していない期間に分けて記載する必要があります。

ダウン症の場合には生まれてから幼稚園まで、小学校低学年、小学校高学年、中学校、高校生活に分けて記載します。

また、幼稚園時や学生生活においても幼稚園や学校の先生にどのような配慮が行われていたか、友人との交友関係、遊び方(一人遊びが多かったなど)や学業(体育)の成績、運動会などの時の集団行動時の様子、特別支援学校や支援学級への入学の別や部活動への入部の有無などについて記載する必要があります。

更に学校卒業後就労している場合には就労の内容や通勤方法(送り迎えの有無)、仕事場の援助の程度などについて記載する必要があります。

ダウン症による障害年金の受給と就労及び収入

疾病によっては就労を行っていることは障害年金の手続きにマイナスに働く場合もあります。一方でダウン症や知的障害の場合には必ずしも就労を行っていることが障害年金の請求にマイナスにはなりません。

就労を行っている場合でも就労継続支援による就労や障害者枠での就労、また一般企業での就労でも収入の多寡や就労の実態によって障害年金の受給の可否が決定されます(仕事の内容が保護的な環境下でもっぱら単純かつ反復的な業務に限られる場合には、障害年金の受給対象となります)。

ダウン症による障害年金の受給と収入制限

ダウン症による障害年金を受給する場合には、国民年金の保険料を支払っていないという特徴がありますので支給停止事由があります。

所得による支給停止

2人世帯の給与所得の場合で年間の所得が348万4,000円お超えた場合には、年金の2分の1が支給停止となります。また、500万1,000円を超えた場合には、年金の全額が支給停止となります。

この場合扶養家族が1人増えるごとに上記金額に所得制限額は38万円増加された額となります。また、老人控除対象配偶者・老人扶養親族の場合には48万円、さらに特定扶養親族の場合には63万円増加された額となります。

その他の支給停止事由

その他にも日本国内に住所がない場合や刑事施設や少年院などに収容されている場合で有罪が確定した場合にも全額が支給停止されます。

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