目次
堺市の30代男性の統合失調症による障害基礎年金の受給事例
結果
障害基礎年金2級 決定
年金額 779,300円
ご相談
堺市の男性からご家族のことでということでご相談のメールをいただきました。
お話を伺ったところをお兄さんが現在、統合失調症と診断され、堺市内のクリニックを受診されているとのことでした。
現在日常生活や就労に支障をきたしているため、できれば障害年金を受給したいということでご相談したとのことでした。
初診日から現在までの様子について簡単に伺ったところを現在から4年ほど前に昼夜逆転、幻聴などの症状が出たため最寄りの病院を受診したとのことでした。
その後、投薬治療を継続したものの病状があまり改善していないとのことでした。
初診日以前の保険料の納付状況について伺ったところ、国民年金保険料の未納はないと思うとのことでした。
また、現在受診している病院の担当医師が障害年金用の診断書の作成に応じてくれないとのことでした。このことから、ご面談を実施しさらに詳しくお話を伺うこととしました。
ご面談
訪問面談
遠方(堺市)からのご相談であったため、弊所から堺市のご自宅への訪問でのご面談となりました。
面談時には弟さんとお母様が同席されました。ご面談時に発病から現在までに様子について詳しく伺ったところ4年ほど前に昼夜逆転や幻聴、不安感などの症状が出たため最寄りの病院を受診したとのことでした。
その後投薬治療を開始したものの、本人が病気に対する意識が薄かったため、初診後しばらく受診していない期間があったとのことでした。
一方で現在より1年ほど前に誰かに盗聴されている、 GPS が付けられて情報が流出しているなどの妄想や幻聴などの症状が出てご近所に迷惑をかけることがあったため、再び病院を受診するようになったとのことでした。
受診後直ちに入院となり、退院後は、月に1回~2回受診しい投薬治療を継続しているとのことでした。
現在は、病状が悪化しており日常生活にも支障が生じているとのことでした。
障害認定日について
さかのぼりでの請求(遡及請求)の可能性を探るため初診日から1年6ヶ月後の受診について伺ったところ当時は受診を中断していた期間に当たり、受診は行っていなかったとのことでした。
請求手続き
診断書の作成依頼
障害年金の手続きにおいて、担当医師が作成する診断書は最も重要な書類の一つといえます。
また、担当医師は必ずしも患者と生活をともにしているわけではありませんので、障害年金用の診断書の作成に必要な情報のすべてを把握しているとは言えません。
このことから、ご面談時に伺った内容をもとに弊所にて依頼状を作成し、担当医師に診断書用紙とともに渡していたこととしました。
病歴・就労状況等申立書の作成
また、病歴・就労状況等申立書は提出書類の中では診断書について重要な書類といえます。
病歴・就労状況等申立書は発病から現在までの受診状況や就労の状況について記載する書類ですが、記載内容によっては障害年金の手続に遅延が生じてしまったり、場合によっては障害年金の受給自体に影響を与えてしまう場合があります。
本件の場合には面談時に伺った内容をもとに弊所にて適切に申立書の作成を行いました。
その後、完成した診断書の内容を確認したところ、数ヶ所記載漏れが見つかったため、弊所から直接病院に追記を依頼し弊所にて作成した病歴・就労状況等申立書、その他必要書類とともに提出することで手続きを完了し、2ヶ月後に障害基礎年金2級の受給決定を受けることができました。
請求手続きのポイント
遡及請求の可否
障害年金の請求は初診日から長期間経過している場合などにはさかのぼりで手続きを行うことで高額の年金を一時期に受給できる場合があります(遡及請求)。
遡及請求を行う場合には、障害認定日(初診日から1年6ヶ月後の日)以後3ヶ月以内の病状を記載した診断書を入手できるかどうかがポイントとなります。
本件の場合には、障害認定日当時に受診を中断していたためさかのぼりでの請求(遡及請求)を行うことができませんでした。
診断書の重要性
また、障害年金の手続きにおいて担当医師が作成する診断書の内容は受給の可否や等級を左右する最も重要な書面といえます。
本件の場合には事前に伺った内容をもとに弊所にて依頼状を作成し担当医に渡すことで日常生活のどの部分に支障が生じているのかについて担当医師に正確に伝えることができたため、病状を反映した診断書の内容となり、障害基礎年金2級の受給につなげることができました。
また、本件の場合には、初期段階で、担当医師が診断書の作成に難色を示すような発言がありましたが弊所から作成依頼を行ったことで、担当医師の診断書の作成依頼がスムーズに進みました。
障害年金の請求と入院
本件の場合、障害年金の請求以前に入院期間がありました。
一般的に直近に入院期間がある場合や、入院中に障害年金の手続きを行う場合には、障害年金の受給がしやすくなる傾向があるといえます。
もちろん、入院中に請求すれば必ず障害年金が受給できるというものではありませんが、入院しているということは病状が重いと判断される場合が多いといえます。
※本件受給事例は個人情報保護法の趣旨に沿って文章の内容を作成しています。
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